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Photographer: STR/AFP
Cojp

新型コロナ時代の勝者と敗者、安全な国ランキングで1年間を振り返る

  • 過去の実績が将来の成功、あるいは失敗を保証しないことは明確
  • 1年間通じてトップ維持した国・地域はない-考慮する要素に変化

ブルームバーグが毎月まとめる「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」は、新型コロナウイルス感染拡大の抑制や死者数、ワクチン接種、渡航再開に向けた進展などさまざまなデータを組み合わせて調査し、パンデミック(世界的大流行)の中で最も安全な国・地域の番付を1年間にわたって発表してきた。

欧州に冬の試練、共存の戦略が奏功後-コロナ時代の安全な国番付

  この調査で明確になったことが一つある。それは過去の実績が将来の成功、あるいは失敗を保証しないことだ。昨年11月の統計開始以降、番付の最上位層と最下位層は毎月変動してきた。ワクチン接種開始やデルタ変異株の台頭、最近では経済再開に向けた動きがパンデミックの過程で重要な要素となっている。

コロナ時代、世界で最も安全・危険な国・地域とは-耐性ランキング

Pandemic Flux

The Ranking’s best and worst performers fluctuated through key stages

Source: Bloomberg’s Covid Resilience Ranking

  対象となる53カ国・地域で最初に上位に並んだのは隔離措置や国境管理など感染抑え込みで厳格な対策を取った所だ。その後、上位に入ったのはワクチン接種が最も速いペースで進んだ国・地域。現在は、高い接種率と社会・経済活動の正常化を同時に確保している国が高位にランクされている。

一貫性が見られた国・地域

  パンデミック下のこうした変化を踏まえると、1年間を通じてトップを維持した国・地域はない。ニュージーランドやシンガポールはかつて、2020年の大半の期間について感染を抑え込みコロナ禍以前の正常レベルを維持して1位となったが、新規感染を許さない「ゼロコロナ」のとりでがデルタ株流行で崩れると、ロックダウン(都市封鎖)や制限が復活。6月に一時的にトップに立った米国と、ワクチン接種が最も速いペースで進み21年の最初の数カ月に規制を緩和・解除したイスラエルでは夏に、ワクチン未接種者を中心に再び感染が広がった。

首位は米国、鍵は「正常化」-新型コロナ時代の安全な国ランキング

  番付の下位層でも入れ替わりはあった。メキシコ、ブラジルなどは感染拡大を受け21年序盤にかけ順位が最も低かった。しかし、中南米諸国はワクチン接種と高水準の自然免疫獲得の効果で、デルタ株流行による最悪の事態を回避した。一方、東南アジア諸国はワクチン接種の遅れを背景に今年後半に最下位層に入った。

Pandemic MVPs

Only seven places never fell into the bottom half of the Ranking

Source: Bloomberg’s Covid Resilience Ranking

  こうした移り変わりはあるものの、順位の安定が目立った国が一部ある。その大半は1位を獲得したことはないが、26位を下回ることもなかった。ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アラブ首長国連邦(UAE)、カナダ、韓国、スイスの7カ国で、シーズン「MVP(最優秀選手)」に最も近い国々だ。ワクチン接種、デルタ株との闘い、経済活動再開のいずれの点でも常に平均を上回った。

  医療分野の堅固な安全網や社会的結束が7カ国に共通の特徴で、こうした資質がパンデミックのあらゆる段階で強みとなった。国として比較的豊かでワクチンの最初の供給分を確保する購買力があったが、政府への信頼や規則に従おうとする人々の意思が感染抑制に役立った。

  一方、アルゼンチン、イラン、メキシコ、ブラジル、ペルー、ポーランド、ナイジェリア、パキスタン、南アフリカ共和国は番付の中間点を上回ったことはなかった。これらはパンデミックで最も打ちのめされた国々で、その多くがなお、ワクチンへのアクセスが限定的で苦慮している。

正常化に向けた進展

  先進国でワクチンが普及し政府が規制解除に動き始める中で、6月のランキングは従来10項目で構成してきた指標に、経済活動の再開と正常化に向けた進展を反映する新たな2項目を加えた。「ワクチン接種後の越境可能ルート」と「フライト能力」だ。

  コロナをインフルエンザのような特定地域での発生を指すエンデミックとして受け入れる国では、ロックダウン実施や人々の公的活動回避という傾向は低い。オフィスや小売店舗などへの移動の水準を示す「地域の流動性」の指標はギリシャや米国、英国、ドイツでなお比較的安定している。4カ国はいずれも昨年末時点から、週間ベースでの活動縮小が10%を超える事態を回避している。

Exiting The Pandemic

Some places haven’t had major disruption in mobility for nearly a year

Source: Google LLC

Note: Mobility in work and retail places, latest data as of Nov. 23.

  一方、感染再拡大で人々の移動制限がかかったパキスタンや韓国、日本、チリ、イスラエルなどはこの4カ月、活動が10%以上、縮小している。ニュージーランドはこうした活動縮小がこの1年に6回に及んだ。感染抑制措置の停止と実施を繰り返したことを反映した。

  新規感染者ゼロを目指すゼロコロナ戦略を世界で唯一続けている中国本土と香港は今年の序盤以降、国内活動縮小が10%を超えたことはない。広大な中国の場合、デルタ株流行を抑制するため一部の地域で講じられたロックダウンが、全国的な活動に影響を及ぼす状況に至るのはごくまれだ。

死亡を防ぐ

  ゼロコロナ戦略で際立つ成功は死者数を抑えたことだ。人口100万人当たりの死亡者数でみると、中国が3人と最も少なく、53カ国・地域の中で番付トップ。まだ国境閉鎖中のニュージーランドは8人で2位だった。台湾、韓国、オーストラリアなど最初の年に感染拡大をうまく抑制した国・地域は100人未満。一方、ペルーは6093人で最下位。米国と欧州諸国は約2000人だった。

Covid-19's Scar

'Covid-Zero' strategy meant limited fatalities in the Asia-Pacific region

Sources: Bloomberg, Johns Hopkins, United Nations

Note: Cumulative fatalities as of Nov. 23

  現在、多くの先進国がブースター(追加免疫)接種と子供のワクチン接種を急いでいる。こうした行動は、パンデミックからのゆっくりとした脱却継続に十分だろうか?それとも新たな波、場合によってはより悪性の変異株が流行し、行動制限に逆戻りするのだろうか?ブルームバーグのCOVID耐性ランキングを引き続き追ってほしい。

原題:The Winners and Losers From a Year of Ranking Covid Resilience(抜粋)

 

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