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防衛策撤回でSBIが新生銀買収へ前進、波乱要因はアクティビストか

  • 旧村上系のシティインデックスは7.43%、オアシスは5%弱を保有
  • 少数株主にアクティビストが残れば狙い通りの経営は難しい可能性も

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新生銀行が24日夕、一転してSBIホールディングスに対する買収防衛策を取り下げ、TOB(公開買い付け)に「中立」の意見表明をしたことで、SBIよる買収は大きく前進する。SBIは12月8日を期限にTOBを進めるが、注目されるのは新生銀株式の買い増しを続ける旧村上ファンドなどアクティビストの動きだ。

  SBIは新生銀の防衛策撤回を受け、1株2000円で保有比率48%を上限に取得を目指す方針に変更はないと表明した。既に約20%を保有しており、他の株主から28%程度を集められれば、連結子会社化の狙いは達成できる。取得の下限は設定していないためTOBの成立は確実で、大株主としての存在感は高まることになる。

Financial Institutions in Japan As Libor Expiry Looms
SBIのロゴ
Source: Bloomberg

  新生銀の防衛策撤回により、SBIがTOBを進めやすくなる中、市場の関心は新生銀の他の大株主である旧村上ファンド系の投資会社や香港のファンド、オアシス・マネジメントなどのアクティビストがTOBに応じるかどうかに移った。

  11月12日公表の大量保有報告書で、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが村上絢氏と共同で5.29%保有の大株主に急浮上。その後、株式を買い増し共同保有を7.43%に高めている。オアシスのほか、米系のダルトン・インベストメントも保有を明らかにしている。

  オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)はブルームバーグのインタビューで、5%弱の保有を明らかにした上で、SBIのTOB価格は安過ぎるとの認識を表明。TOB価格を「引き上げてほしい」と述べていた。

  SMBC日興証券の佐藤雅彦アナリストは24日付のリポートで、TOBの結果は「計48%の保有に満たないという状況も十分想定される」と分析した。オアシスなどがTOBに応じず、48%を大きく下回れば、子会社として支配できなくなる可能性がある。

  一方、ブルームバーグのデータによれば、シティインデックスによる新生銀株の一部取得原価は1株1854円。現在のTOB価格は同2000円のため、応募すれば約150円のさやが抜ける計算だ。ただ、シティインデックスは保有目的を「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としており、どう動くかは読みにくい。

  ゴルフ場運営会社、パシフィックゴルフマネージメント(PGM)による2013年のアコーディア・ゴルフのTOBでは、村上ファンドがTOB期間中にアコーディア株式を買い進めた結果、TOBは不成立に終わった。最終的に村上ファンドは、アコーディアが実施した自社株買いに応じて、売り抜けた経緯がある。

  仮に一部の一般株主やファンドがTOBに応じ、SBIが保有を48%まで高めることができても、少数株主としてアクティビストを抱えたままでは、SBIの狙い通りの経営ができない可能性も残る。

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