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バイデン大統領、FRBの独立性をあらためててこ入れ-議長人事で

  • 民主党進歩派から反対があったパウエル議長の続投を発表
  • 名声が傷ついたFRB、金融政策面でトレードオフに直面

米連邦準備制度理事会(FRB)議長人事を巡り、気候変動対策や人種格差の是正で民主党の関心にもっと合致した同党の人物を起用するよう、一部議員はバイデン大統領に訴えていた。しかし、大統領は共和党のパウエル議長の続投を決め、金融当局が必要としている政治的独立性をてこ入れすることになった。

  バイデン大統領は22日の発表に際し、「私が民主党員を起用しないのはなぜか」と問い掛けた上で、「率直に言って、多大なる可能性と多大なる不確実性の現局面にあって、われわれは連邦準備制度における安定と独立性が必要だ」と、その理由を説明した。

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バイデン大統領(中央)とパウエル議長(左)、ブレイナード理事(11月22日)
Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

  パウエル議長と、副議長に指名されたブレイナード理事が参加したアイゼンハワー・エグゼクティブ・オフィスビルディングのイベントで、大統領はさらに「FRB指導部が広範な超党派の支持を受けるのは重要だ」と話した

  大統領の決定は連邦準備制度にとって政治的に微妙なタイミングでの発表ともなった。新型コロナウイルス禍の打撃を受けた市場と経済を金融当局が下支えする中にあって、一部の当局者が昨年の時点で証券トレーディングを行っていたことが明らかとなり、景気の正直な番人という名声は傷ついた。

  金融当局はまた、民主・共和両党議員の間の政治的綱引きにも巻き込まれている。民主党進歩派は連邦準備制度の権限を広げ、所得・人種格差の是正や気候変動対策にもっと取り組むようにさせたい考えなのに対し、共和党保守派は当局が物価安定と完全雇用の目標に重点を絞り、特にインフレ抑制を重視するよう求めている。

バイデン大統領はパウエル議長について「前例のない政治的干渉に立ち向かった」と評価
Source: Bloomberg

 

トレードオフ

  パウエル議長ら当局者はこのほか、極めて大きな政治的重要性を伴う金融政策面の厄介なトレードオフに直面している。数多くの米国民が失職中でパンデミック(世界的大流行)の影響が続いている状況にあって、景気拡大のスピードを落としてインフレを抑制すべきかどうかの問題だ。パウエル議長らが成功を収めることはバイデン大統領に大きな意味を持つ。

  AGFインベストメンツの米政策担当主任ストラテジスト、グレゴリー・バリエール氏は「世論調査での大統領の支持率はひどく落ち込んでおり」、民主党は来年11月の中間選挙で「下院の主導権を失う恐れがあり、有権者が挙げる理由の1つはインフレだ」と語った。

  ブルッキングズ研究所のシニアフェロー、サラ・バインダー氏はバイデン大統領の決定について、ある意味でインフレ高進を巡る批判の一部から自身を守ろうとしているのではないかと分析する。

  「今回の共和(パウエル氏)、民主(ブレイナード氏)両党それぞれからの議長、副議長指名はバイデン大統領に一定の防護シートとなる。これはバイデン氏の連邦準備制度ではなく、パウエル氏の連邦準備制度だというわけだ」とバインダー氏はコメントした。

  一方で、ペンシルベニア大学ウォートン校のピーター・コンティブラウン准教授は、「FRBポスト指名を党派的な政治から切り離したいとする大統領の願いを示唆している」と、パウエル議長続投の決定を評価した。

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バイデン大統領(11月22日)
Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

原題:

Biden Puts Fresh Stamp of Autonomy on a Battered Federal Reserve(抜粋)

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