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世界のIPO、6000億ドル突破-件数と調達額で過去最高を更新

  • SPACブームと高い評価額で現金化する企業の動きが推進力に
  • 米リビアンがIPOブームをリード、アジア最大は8月の中国電信

世界の新規株式公開(IPO)は今年、過去最高を更新した。特別買収目的会社(SPAC)ブームと高い評価額で現金化する企業の動きが推進力となっている。

  ブルームバーグの集計データによると、年末まであと6週間となる中、今年これまでに約2850の企業とSPACが実施したIPOの総額は6000億ドル(約68兆4000億円)余りに上る。2007年に記録したIPOの件数と資金調達総額を既に上回った。

Record Run

Worldwide IPO haul in 2021 leaves all previous years in the dust

Source: Bloomberg

Proceeds in 2021 are as of Nov. 19

  IPOブームをリードしたのは今月120億ドル近くを調達した電気自動車(EV)トラックのスタートアップ企業、米リビアン・オートモーティブ。アジアで最大は8月の中国電信(チャイナ・テレコム)の540億人民元(約9600億円)のIPO。欧州では、1月に28億ユーロ(約3600億円)のIPOを実施しアムステルダム市場に上場したポーランドの小荷物ロッカー会社インポストが最大。

EV Maker Rivian Raises $11.9 Billion In Year's Biggest IPO
リビアンのEVトラック
Source: Bloomberg
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  これらの企業は中央銀行の大量資金供給に支えられた株価高騰の機会を活用。新型コロナウイルス禍からの景気回復や景気刺激策が企業収益を後押ししている。

  ただ全てが順調に進んでいるわけではない。今年初めに熱狂的に高まったSPACブームは規制当局による精査が水を差した。中国当局による夏のテクノロジー企業に対する締め付けは世界の市場に波及。中国企業による記録的な米国上場ラッシュに歯止めをかけ、香港のIPO市場にも影を落とした。

  UBSグループの株式資本市場担当グローバル共同責任者、ギャレス・マッカートニー氏は「潤沢な流動性とディールの好調というIPOにとって完璧な市場環境から、より通常の環境への移行しつつある」と指摘した。

目を見張る急騰

  今年は小口投資家の熱狂的な投資ブームが株式相場を乱高下させており、人気セクターでは上場後に急騰する銘柄もあった。リビアンはまだ売り上げを計上していないが、上場直後の数営業日で2倍強に上昇し、時価総額は一時ドイツのフォルクスワーゲンを上回った。

  一方で、こうした急騰はバブル懸念を高めてもいる。S&P500種株価指数の予想株価収益率(PER)は21倍強と、10年平均を大きく上回っており、株価は2000年のインターネット株バブル期以降で最も割高な水準に近い。

  ハーグリーブス・ランズダウンのシニアアナリスト、スザンナ・ストリーター氏は「金融刺激プログラムが縮小されるに伴い、世界の経済成長が急速に減速すれば、市場は調整に向かう可能性がある」と述べ、「過大評価された企業はそれ以外の企業よりもはるかに早く打撃を受けるだろう」と付け加えた。

原題:Global IPOs Blow Past $600 Billion Mark in Best Year on Record(抜粋)

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