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Photographer: SOPA Images/LightRocket
Cojp

小数点以下の領域に足を踏み入れる仮想通貨-個人投資家の心くすぐる

  • シバイヌの小数点化、実行し得る最良のマーケティングとの見方
  • 個人投資家はミームコインに資金投入、割安に見える-マイナー氏

小数点以下の表示という点で言えば、仮想通貨ほど常識外れの領域に足を踏み入れている市場はないだろう。

  「シバイヌ」は19日午後に0.00004893ドル前後で取引される一方、今年初めのドージコインは1セントにも満たなかった。ビットコインの最小単位は1サトシ(0.00000001)。イーサに至っては最小単位のウェイがあり、1イーサの100京分の1(0.000000000000000001イーサ)に相当する。

  なぜこうなるのかに関して可能な説明は、理解できる部分と困惑させられる部分が入り交じっている。

  個人トレーダーはペニーストック(低位株)が大好きだ。1セントから2セントに値上がりすれば資産は倍になり、大きなリターンを簡単に夢見ることができる。100万単位で購入しても、シバイヌなら50ドル程度しかかからない。

割安に見える

  ブロックチェーン・プラットフォーム、パブリック・ミントのハルシー・マイナー会長は、「個人投資家はドージコインやシバイヌなどミームコインの多くに資金を投じている。割安に見えるからだ」と指摘。「ここでは心理的な要素が働いている。『おお、ビットコインは6万5000ドルもするが、ドージコインはたった25セントだ』というように人々が考えるケースが多い」と語る。

  だが、一体なぜ小数点第18位までトークンを分ける必要があるのか。実際のところ、説得力のある理由は多くない。

  Connextの共同創設者で、プロジェクトリードのアージュン・ブプタニ氏は「この分野の多くの研究者は、小数点第18位であれば、ほぼあらゆる使用事例でも精度は高まるものの、ERC20トークンの小数点第18位基準は非常に恣意的で理想的ではなさそうだとの点では一致している」と話す。ERC20とはイーサリアムのブロックチェーンと互換性を持つトークンの規格。

  問題は数字が無限に増えたり、無限に小さく割れたりしてもコンピューターハードウエアのデータ保存には限界があるという点だ。このため、一部のプラットフォームやトークンはこの小数点以下第18位基準からの決別を選んでいる。例えば、ステーブルコイン「テザー」はERC20トークンではあるが、小数点以下6位までにとどめている。

10年後に大化けも

  仮想通貨交換プラットフォームINXのブロックチェーン・アセット・ストラテジー担当バイスプレジデント、ジョナサン・アゼルーアル氏は「ドージコインやシバイヌの小数点化は実行し得る最良のマーケティング作業だった。0.01ビットコインでは誰も買いたがらないが、何百万ものシバイヌなら誰もが持ちたがる」と指摘。「なぜかって?いつか1ドルまで値上がりするかもしれないと考えているからだ」と答えた。

  仮想通貨コミュニティーの一部ではビットコインではなく、サトシ単位での価格提示を求める声もあるが、こうした心理的効果が働いている。参考までにビットコインは6万5000ドルだが、サトシなら0.00065ドルとなり、シバイヌの10倍強の価格だ。

  仮想通貨の世界は、かつては非現実的と思われたことを現実にすることで有名だ。アゼルーアル氏は人々がビットコインやイーサリアムを決済手段として浪費していた時代を教訓として振り返る。2010年にピザ2つを購入するのに1万ビットコインを使った男性もいた。現在の価値では約6億ドルだ。今なら店によっては1ビットコインで1万ものピザが買える。

  アゼルーアル氏は10年後には価格がどうなっているかは分からないのだと話した。

原題:Coin Worth $0.00004893 Highlights Crypto’s Wild Decimal Frontier(抜粋)

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