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アイビーリーグの寄付基金、昨年度に多額の投資収益-学生支援を強化

  • 米名門私立8大学、昨年度に合計約500億ドルの投資収益
  • 莫大な富を蓄積する寄付基金、支出の優先順位巡り2つの重要問題

アイビーリーグと称される米国の名門私立8大学は直近の会計年度に計1900億ドル(約22兆円)余りの運用資産で約500億ドルの投資収益を上げた。1年間でハーバード大学の基金がもう一つ増えたかのような増加ぶりだ。

  米国の超富裕層のように、8大学は驚異的なスピードで莫大(ばくだい)な富を蓄積しており、その過程で幾つかの気詰まりな問題も浮上している。

  今の大学教育のコストと価値を巡る議論が続く中、2つの重要な問題が立ちはだかる。1つ目は、授業料が年間8万ドルに迫るハーバードのような裕福な高等教育機関が、増える富をどの程度学生と分け合うべきかという点だ。また、こうした高等教育機関の中でイーロン・マスク氏やジェフ・ベゾス氏といった富豪のような存在であるこうした大学が納税を増やすべきかという問題もある。

U.S. Colleges Brace for a Devastating Summer And Fall
ハーバード大学のキャンパス入り口
 

  新たに手にした富で各大学は資金援助を強化し、低所得世帯から入学しやすくなるよう取り組んでいる。教員やスタッフの手当を増やしているほか、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による金銭的打撃を相殺するために一部資金を活用している。

  一方でこうした大学は、2017年に共和党主導の税制改革の一環として可決された学生1人当たり50万ドル以上の寄付基金を有する大学への課税措置に反対するロビー活動も展開している。この措置はハーバードエールプリンストンなどを含む30以上の大学に影響する。9月に民主党が発表した3兆5000億ドル規模の経済アジェンダの中では、大学が授業料について対処する限りこの課税を縮小することが盛り込まれていたが、11月初旬にはこの条項が削除された。

  大学は寄付基金から銀行口座のようには資金を引き出せない。寄付基金の年間支出額は、投資収益の3年間ないし5年間の平均によって決まるケースが多く、寄贈者側は寄付金の使途を制限できる。さらに、大学の投資担当責任者らはこうしたリターンを毎年上げられるわけではないと警告する。

  エール大では寄付基金の評価額は昨年度に110億ドル増加した。同大学は学部生の財政支援強化に300万ドルを拠出すると表明。スタッフや教員の育児手当を増やし、育児休業制度を強化しているほか、地元コネティカット州ニューヘイブンへの財政支援を増やす計画について17日に詳細を公表した。

  ハーバード大も6月までの昨年度に寄付基金の評価が110億ドル増加したことから、学校予算への配分を計画されていた1%ではなく2.5%増やした。また、金銭的支援に約6億ドルを拠出するとしており、学部生の20%は授業料が免除され、半数以上の学生は家庭の財務状況に基づいた奨学金を受けているという。

 

原題:

Ivy League Wrestles With Windfalls as Student Costs Rise (1)(抜粋)

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