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日本株:急速に下げ縮小、財政支出55.7兆円報道-債券下落、円小幅安

更新日時

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東京株式相場は引けにかけて急速に下げ幅を縮小した。政府の経済対策の規模が財政支出ベースで55.7兆円程度との報道を受けて、買い注文が優勢になりプラス圏に上昇する場面もあった。国債増発懸念から債券相場は下落(長期金利は上昇)した。

  • TOPIXの終値は前日比2.82ポイント(0.1%)安の2035.52
  • 日経平均株価89円67銭(0.3%)安の2万9598円66銭

  株式市場では経済対策規模についての報道を受け、国内景気の回復期待が高まった。先物主導で買いが増加し、業種別では機械やガラス・土石、非鉄金属といった景気敏感業種をはじめ、精密機器や電機も上げている。 政府の経済対策の規模が財政支出ベースで55.7兆円程度となったと日本経済新聞が18日報じた。民間資金を加えた事業規模は78.9兆円という。

第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト

  • 新しい数字であり、いったんヘッドラインに反応した。確かに数字は大きいが報道の詳細を見ると今まで出ている内容とほぼ変わらない。見出しの数字に反応して海外投資家が買った可能性がある
  • 朝方は、金融所得課税を強化するという宮沢自民税調会長のインタビュー記事で下げていたが巻き戻された

SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト

  • 全体の規模が想定を上回り初期反応として株式は上昇したのだろう。規模だけではあす以降も続く上昇とはなりえないだろう
  • あす正式に公表されるが家計・企業向け給付金については想定の範囲内。事業規模が具体的に成長や日本経済に寄与するかが見えない
  • 投資するのがDXなど幅広なイメージが強いが、経済をけん引する産業政策をわかりやすく打ち出せるかがポイントになるだろう

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト

  • 経済対策の報道は取引終盤の日本株の上昇につながったが、中身を見るとすぐに材料としては消化される話だ
  • 国費の43.7兆円という規模は、昨年4月の対策時の33.9兆円、同5月の33.2兆円に比べて大きく、国費の膨らみに株式相場はポジティブに反応した
TOPIXの推移
 
 

債券

  債券相場は下落。政府が19日に閣議決定する経済対策の規模が財政支出ベースで55.7兆円程度となったとの報道を受けて国債増発への懸念から売りが優勢となった。

  • 新発10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp)高い0.08%
  • 長期国債先物12月物の終値は9銭安の151円53銭。夜間取引の流れを引き継いで買いが先行し、20年債入札結果発表後に151円73銭まで上昇。その後報道を受けて売りが優勢となり一時151円44銭まで下落

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト

  • 政府の経済対策の規模が事前の目線をかなり上回っており、債券には売り材料
  • けさまでの報道では40兆円ぐらいで、補正予算はその半分程度というのが目線だった
  • 国債発行計画でどの年限が増発されるかが次の焦点だが、それが明らかになるまでは幅広い年限で売りが出やすくなる

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • この規模の経済対策となると増発は避けられない感じで、短いゾーンだけでは難しく、影響が出てきそう
  • 入札順調で金利が低下していた20年債も元の水準に戻っており、様子を見たほうが良いということになっている
  • 発行年限については財務省の決定次第だが、投資家の意見も聞きながらだろう
  • すでに中期ゾーンまでは増発しており、また短いゾーンとなると日銀の買い入れオペも影響してくるが、次は長いゾーンという覚悟はできてきている

新発国債利回り(午後3時時点)

 2年債5年債10年債20年債30年債40年債
 -0.125%-0.075%0.080%0.470%0.685%0.740%
前日比+0.5bp+1.0bp+1.0bp横ばい+0.5bp+1.0bp

 

長期国債先物中心限月の推移
 
 

為替

  外国為替市場で円相場は小幅安。株式相場の急反発を背景にリスク選好に伴う円売りが強まる場面が見られた。ただ、前日に節目の1ドル=115円を抜けられず、米長期金利の低下や原油安が重しとなる中、ドル・円は1ドル=114円27銭まで小幅円安に振れた後、伸び悩む展開となった。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジスト

  • リスクオンということにはなるが、これで115円までいけるかというと厳しい。ドル・円はきのうからの下げがいったん下げ止まったという状況
  • 引き続き焦点は物価と金融政策で、商品市況の状況など物価を取り巻く材料に動きがみられるとそれに相場が反応している感じ
  • きのうからの原油価格下落が円高圧力になっているほか、米金利も上がりづらい状況にある
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