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履歴書文化は時代遅れ、人手不足解消つながらず-リクルトH社長

更新日時
  • 「あなたは何ができるのか」、実務に着目した採用が必要-出木場氏
  • 日本の労働市場は柔軟性に欠ける、賃金上昇のメカニズム機能せず

リクルートホールディングス(HD)の出木場久征社長(46)は、米国の人手不足について、従来の履歴書や職歴、学歴などに基づいた採用方式では人材の供給が追い付かないとし、解消に向けては従来の慣習を見直すべきだとの考えを示した。同社は米国で求人サイトのインディードや、求人情報口コミサイトのグラスドアを運営している。

  米国では9月の自発的離職者数が過去最高を記録。求人件数も過去最高水準にあり人材の確保が困難になっており、報酬や物価の上昇を招く要因となっている。

米自発的離職者、9月に過去最高を記録-人材確保さらに困難に (1)

  出木場氏によると、接客業やトラック運転手のような学歴が問われず、正式な履歴書を作成するための技術やパソコンを持たない応募者が多い分野で人材が不足しているという。そういった分野でも「いまだに履歴書を提出、確認して面接を行うプロセスが取られている」ことが人手不足を助長していると指摘する。

  同氏は「この18カ月間でブルーカラーとホワイトカラーの格差が浮き彫りになった」と語る。能力に基づく雇用主と就業者のマッチングや、スキルアップのための研修などが注目を集めているが、多くの国で多数を占めるブルーカラーの労働者がスキルアップのサービスを利用できていないと指摘。

  現状と向き合わずに人材不足を解消することは難しいことから、同社ではスキルアップのサービスを拡大して履歴書の書き方なども学べる機会も提供している。

  しかし、学歴や職歴などが記載された履歴書を提出する文化は「時代遅れ」だとし、「あなたは何ができるのか、何をしてきたのか」を把握しやすい方式に変えていく必要があると訴えた。トラック運転手の採用では必要なスキルの確認で十分だとし、実際に実務経験を重視したチャット形式の導入を始めているという。 

  一方で日本国内の労働市場については、一部で人手不足の兆候が出始めているものの、人材が足りない職種で賃金が上昇するという市場のメカニズムが機能していない分野もあるとの認識を示した。新型コロナウイルス感染拡大の中でも、一時解雇が少なかったことや、自発的に離職する人が少なく、「先進国の中でも唯一、労働市場の需給逼迫(ひっぱく)が起こっていない国」になっていると語った。

(第4、第5段落を追加して更新します)
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