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来年の世界経済は予算削減が打撃に-コロナ緊急対策終了で

  • 財政テーパリングが多くの国の経済成長を圧迫へ
  • 引き締めはインフレ圧力を冷やす助けとなり得るが成長を鈍化させる

金融市場では物価高を背景に世界各地の金融政策がどのように調整されるかが焦点となっているが、来年の世界経済により大きな影響をもたらしそうなのが、新型コロナウイルス感染拡大に対応する支出がなくなる財政引き締めだ。

  家計や企業を支える公共支出は、経済を新型コロナによる落ち込みから回復させる最も強力な原動力となったが、今や各国・地域の政府はブレーキを踏みつつある。UBSの試算によると、各国が2022年にストップすると見込まれる支出は世界の国内総生産(GDP)の約2.5ポイントに相当する。これは08年の危機後に緊縮財政に転換した時期の5倍に達する。

The Real Taper

Many major economies will get less budget support next year

Source: IMF forecasts for change in cyclically adjusted budget balance

  財政引き締めは一部の国で高まっているインフレ圧力を冷やす一助となり得るが、成長鈍化につながる。

  米国では緊急措置が終了しつつあるが、バイデン政権はより長期の支出計画を推進する。欧州では緊縮財政を巡る議論が再燃する方向にあり、英国の指導者は財政赤字の削減を開始する道徳的義務があると主張している。

  日本では岸田文雄首相は追加経済対策を計画するが、その規模は過去最大となったコロナ禍の緊急経済対策に及ばない見通し。中国は景気減速でスタンスが変わる可能性もあるが、これまでのところ予算に慎重だ。

  ただ、表面的な数字で示唆されるほど世界のGDP押し下げは大きくならないとみられる理由もある。来年の予算は確定しておらず、各国は新型コロナ流行が続けば調整可能だ。また、この1年半に導入された景気刺激策の一部は実行されておらず、来年以降に資金が使われることがあり得る。その場合、経済への打撃は抑えられそうだ。

原題:
Budget Cuts Will Take a Big Chunk Out of World Economy Next Year(抜粋)

 

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