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米国債市場の亀裂顕在化か-連邦準備制度のテーパリング開始に際し

  • 利回りのボラティリティーが高まる中で流動性は低下
  • 米金融規制当局者は17日にオンライン形式の年次会合

米連邦準備制度が米国債購入のテーパリング(段階的縮小)を開始するタイミングにあって、国債市場はボラティリティーの高まりに見舞われている。17日にオンライン形式の年次会合を開く金融規制当局者に警告を発している形だ。

  10月の消費者物価指数(CPI)の急上昇を受けて、米利上げ開始時期が前倒しされるとの観測が台頭し、2年債利回りは10日の取引で約10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と2020年3月以来の大きな上昇となった。

  ボラティリティーの異例の高まりによって、30年債入札は10年ぶりの乱調となり、適正価値のモデルからの利回りの乖離(かいり)を測るブルームバーグの米国債流動性指数によると、米国債の取引環境は20年3月以来最も悪化した。 

Headwinds Mounting For World Economy Into Final Stretch of 2021
米財務省
Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

  17日の会合では「市場全体の機能と強靱(きょうじん)さの改善のための提案」を検討する。参加者は財務省のリャン財務次官(国内金融担当)とスミス副次官補、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁とシステム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)マネジャーのロリー・ローガン氏、ベナム商品先物取引委員会(CFTC)委員長代行、ゲンスラー証券取引委員会(SEC)委員長ら。      

  同日には20年債入札も行われる予定で、30年債の入札不調が一時的な異常であるのか、連邦準備制度が刺激策の縮小・解除に動くのに当たって市場の円滑な機能が損なわれていることを示す兆候であるのかの試金石となりそうだ。

  アカデミー・セキュリティーズのマクロ戦略責任者、ピーター・チア氏は「取引高が平均水準前後で推移している場合、現行の構造で市場はうまく機能するが、データに照らして説明不可能と見受けられる大荒れの動きにつながって、資産運用者のリスク管理が困難となる場合もある」と指摘した。

Bloomberg gauge of Treasuries liquidity show worst since 2020
 
 

  最近の米国債市場の高ボラティリティーは、物価高や労働力不足、インフレ率を大幅に下回って推移する利回りなどの下で、経済や金融政策の方向性を巡る広範な不確実性を反映している。 

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  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の短期ポートフォリオ管理および資金調達担当責任者、ジェローム・シュナイダー氏は「金融政策だけでなく、財政政策がどこに向かっているのかや地政学に関しても多くの不確実性がある中で、われわれは今、移行期にある」との考えを示した。

  その上で、「超緩和的な金融政策が続いてきたため、流動性が世界の金融システムでどのように配分されるかについて、人々の思考は非常に不活発な状態にあったが、今はそれが少し変化しつつある」と語った。

A gauge of bond-market volatility hovers near highest since April 2020
 
 

原題:Cracks Appear in World’s Biggest Bond Market as Fed Pulls Back(抜粋)

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