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消費者物価、来年半ばごろに1%程度まで上昇率高める-日銀総裁

更新日時
  • 経済正常化へようやく薄日、実質GDPは来年前半にコロナ前回復へ
  • 出席者から資金繰り支援策の延長要望、総裁は「適切に対応」

日本銀行の黒田東彦総裁は15日、消費者物価の先行きについて、来年半ばごろには需給ギャップがプラスに転化することが見込まれる下で、1%程度まで徐々に上昇率を高めていくとの認識を示した。名古屋市で行われた各界代表者との金融経済懇談会で講演した。

  黒田総裁は日本経済について「経済活動の正常化に向けて、ようやく薄日が差し始めている」と説明した。実質国内総生産(GDP)は、米欧からやや遅れるものの、「来年前半には感染拡大前である2019年の水準をおおむね回復できる」との見通しを示した。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Addresses Business Leaders
黒田東彦日銀総裁
Photographer: Yasuhiro Ogawa/Jiji Press/Bloomberg

  一方、世界的な経済活動の再開が「供給制約による原材料や部品の不足という新たな問題も引き起こしている」とし、供給制約が予想以上に長期化すれば、「わが国の輸出や企業収益に悪影響が及ぶことに注意が必要だ」と語った。

資金繰り支援策

  金融政策運営に関し、米欧ではインフレ高進を背景に緩和縮小の動きも見られているが、日銀は2%の物価安定目標の実現が展望できる状況にない中で、「強力な金融緩和を粘り強く続けていく局面にあることを、改めて強調したい」と話した。

  講演後の質疑では、出席者から22年3月末が期限の新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムについて延長を求める発言が出たが、総裁は「感染症の影響を注視し、適切に対応する」と述べるにとどめた。講演では、感染症による企業金融面へのストレスは「 売り上げの低迷が続く業種や中小企業に限定されつつあるようにうかがえる」との見方を示した。

  総裁は毎年、名古屋で財界や金融界などの代表者と懇談会を行っているが、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン形式での開催となった。現地を訪問して対面形式で行うのは2年ぶりとなる。

他の発言

  • 内外経済情勢、しばらくは感染症の動向に左右される展開が予想される
  • 感染症の影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加緩和措置
  • 感染拡大直後の予備的資金需要、かなり落ち着いてきている
  • 人々の警戒和らげばサービス消費回復、高齢者消費に注目
  • 半導体の供給不足の解消、相応に時間かかる
  • 原材料価格上昇の背景は経済活動再開による需要増、基本的に日本経済にプラス
  • 今後の国際商品市況の動向と日本経済への影響を注視
  • 中国恒大、世界の金融に大きなショック与える問題ではない
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(発言の詳細を追加して更新しました)
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