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Photographer: Moe Zoyari/Bloomberg
Cojp

新興国通貨のキャリー取引、回復は短命に-インフレ懸念で巻き戻し

  • ブルームバーグ累積FXキャリー取引指数、2カ月で4%余り低下
  • 物価上昇圧力、キャリー取引にとって悪い前兆-TDのコテチャ氏

ドルで借りた資金を新興国通貨に投じるキャリートレードの回復は短命に終わったようだ。米国のインフレ高進で見通しが一段と厳しくなっている。

  新興国8通貨を対象とするブルームバーグ累積FXキャリー取引指数は過去2カ月で4%余り低下し、2020年3月以来の大幅な下げとなった。8月には1.5%上昇していた。このままいけば、年間では2年連続のマイナスとなる。

  10月の米消費者物価指数(CPI)の前年比での伸びが1990年以来最大となり、米連邦準備制度に利上げを求める圧力が増した。ドルを借りるコストの上昇はキャリートレードのリターン低下につながり得る。

  トレーダーらはわずか2カ月前には、金融引き締めが緩やかなペースになるとの連邦準備制度のメッセージに対する安心感でキャリートレードを増やしていた。こうした取引の多くが現在、巻き戻されている。インフレに対する警戒感が強まり、各中央銀行が積極的な利上げで対処しなければならなく可能性に対する懸念が背景。

Carry returns have started to fall as U.S. inflation expectations rise
 
 

  TDセキュリティーズの新興国市場アジア・欧州担当チーフストラテジスト、ミタル・コテチャ氏(シンガポール在勤)は「米国と中国の予想を大幅に上回る物価統計は、インフレが一時的との説を打ち砕くだろう」と指摘。「利回り格差が縮むため、短期的には新興国通貨のキャリートレードには悪い前兆だ」と述べた。

  連邦準備制度のテーパリング(資産購入の段階的縮小)による世界の流動性状況のタイト化も新興国通貨のキャリートレードの妨げになるとコテチャ氏は語った。

Wide Divergence

Biggest winners and losers from dollar EM carry trades in past 2 months

Source: Bloomberg

  過去2カ月でキャリートレードのパフォーマンスが最も悪かった通貨にはトルコ・リラや南アフリカ・ランド、ハンガリー・フォリントが含まれる。

  今週はトルコとインドネシア、フィリピン、ハンガリーの中銀の政策金利発表が予定されている。

原題:
Inflation Is Killing the Dollar Carry Trade in Emerging Markets(抜粋)

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