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米国債市場、コロナ禍の始まり以来最も危険な状況-当局への不信感で

  • 債券市場の流動性とボラティリティーの指標が大きな悪化示す
  • インフレ予防で米金融当局への信頼揺らいでいるとアナリスト

米国債市場はこの1カ月間、地雷原となっている。

  世界中の債券トレーダーが中央銀行にインフレ率上昇への対応を促そうとする中、異常に大きな価格変動が見られる。市場参加への消極姿勢が流動性を損ない、相場変動が一層大きくなる可能性を高める悪循環の兆しが現れている。

  ブルームバーグの米国債流動性指数によると、米国債の取引環境は2020年3月以来最も悪化している。当時は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で世界中の中銀が大規模な緊急措置を打ち出した時期だった。同指数は適正価値のモデルからの利回りの乖離(かいり)を測る。予想されるボラティリティーを示すICE・BofA・MOVE指数は昨年4月以来の高水準近辺にある。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月2、3両日の定例会合で、米国債など資産購入の縮小を開始し来年半ばまでに終了することを決めた。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、資産購入のテーパリング(段階的縮小)スケジュールは利上げ時期を示唆するものではないとあらためて説明するとともに、インフレ状況に応じて妥当と判断されれば、ためらわずに行動する考えを示した。

パウエルFRB議長、利上げに「辛抱強くなれる」-必要なら行動も

  10日発表の10月の米消費者物価指数(CPI)は予想を上回り、米国債相場は2月以来の大幅下落となった。

米CPI、ピークはまだ先か-家計や金融・財政当局の頭痛の種に

  ブリークリー・アドバイザリー・グループの最高投資責任者(CIO)、ピーター・ブックバー氏は顧客向けリポートで、「6%台のインフレ率への対処で連邦準備制度の考え方は、向こう8カ月間にバランスシートをさらに5000億ドル(約57兆円)拡大し金利をゼロ近辺に維持するというものだ」と指摘。「少なくとも現時点で当局は信用されなくなっている。データの現実や市場によって、マーケットのバリュエーションそしていずれは経済を損なうリスクを招いても、より積極的に行動するよう駆り立てられるかどうかを見極めることになる」と述べた。  

Trading conditions are the roughest since the beginning of the pandemic
 
 

 

原題:
U.S. Treasury Market Is Most Treacherous Since Pandemic’s Onset(抜粋)

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