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東芝、2社を分離し23年度に新規上場-1000億円程度を株主還元

更新日時
  • 24年3月期下期に2社を上場-インフラサービスとデバイス事業
  • キオクシア株の売却で得た資金は全額株主に還元へ

東芝は12日、インフラサービス事業とデバイス事業の2社をそれぞれ新規上場会社としてスピンオフ(分離)するほか、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスの株式管理などを担う東芝本体と合わせて3社体制にする再編計画を発表した。専門性のある経営体制を構築し各事業で競争力を高める。 

  発表資料によると、2023年度下期(10-3月期)に上場を目指す。インフラ会社には原子力や火力、公共インフラなどが、デバイス会社にはハードディスクドライブ(HDD)やパワー半導体などが集約される。東芝本体ではキオクシアホールディングスと上場子会社の東芝テックの株式を保有する。

  キオクシア株については、速やかに現金化し全額株主還元に充当するほか、今後2年間で1000億円程度の株主還元を実施する計画だ。

   綱川智社長は12日の会見で、キオクシア株売却後の株主還元については以前は「過半」と言っていたが、「全額を返しても適正資本を維持できる」と判断したと説明した。またキオクシアの新規株式公開(IPO)に関する方針は変わらないとして、米投資ファンド、ベイン・キャピタルの判断に従って早期の還元に動く考えを示した。

  東芝はエネルギーから半導体まで多様な事業を抱えており、複合企業の価値が相対的に低く評価される「コングロマリット・ディスカウント」の解消が課題となっていた。1989年に1万5000円を付けた株価も、足元では4000円台後半の水準で低迷。不正会計や米原発事業での巨額損失を受けて、一部の事業を売却した。

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東芝のロゴ(都内、21年4月)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  綱川氏は、今回の再編はそれぞれの事業が新しい企業風土の下で成長していくチャンスで、東芝の「解体ではなく進化ととらえている」と述べた。ただ現状では「ガバナンスをどうにかしていくことは最重要の経営課題」だとの認識も示した。

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  インフラサービス会社では、温室効果ガス排出量の実質ゼロ(カーボンニュートラル)実現に向けた電力会社などへの解決策提供などで、国内トップクラスの地位確立を目指すほか、アジアを中心に市場シェアの拡大を狙う。自動化によるインフラ運営のコスト削減につながる技術の提供にも注力する。

  また、23年度までに水素実証プロジェクトなどカーボンニュートラル対応や二次電池の増産などで2160億円の設備投資を実施するほか、サイバーセキュリティー技術やIoTデータ基盤の整備などの研究開発に2320億円を投じる。

  デバイス会社では設備投資に1880億円、研究開発に1530億円と計3410億円を投じる。注力領域に据えるパワー半導体の売上高を23年度に1200億円まで年平均13%成長させることを目指す。

  オンラインとオフラインの中間に位置する「ニアラインHDD」の分野では、大容量製品の開発を加速させることで、ニアラインHDDの売上高を23年度に2800億円まで年平均18%増やしたい考えだ。

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(会見での発言を入れて記事を更新します)
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