コンテンツにスキップする

10万円の子ども給付金、大半は貯蓄通じ債券市場に流入か-市場関係者

Natsuo Yamaguchi, chief representative of the Komeito Party,

Natsuo Yamaguchi, chief representative of the Komeito Party,

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

所得制限付きながら18歳以下への10万円給付が補正予算に盛り込まれる見通しだ。昨年の全国民一律10万円の特別定額給付金の大半は貯蓄に回り、そのほとんどが金融機関を通じて債券市場に流入したとの見方もある。今回も消費に回らない資金が債券に向かう構図が繰り返されるとみられており、給付金を含む財政マネーが債券相場の支援材料となる可能性がある。

経済対策の10万円給付、困窮世帯や学生も対象に-岸田首相

市場関係者の見方

◎大和総研の長内智主任研究員 

  • 昨年の一律10万円の給付金は消費を一定程度下支えしたが、その70%以上が貯蓄に回ったとの試算もある。緊急事態宣言等に伴う経済活動の制限で消費が急減し、結果として家計の現預金が大きく積み上がった
  • 2020年以降の未曽有(みぞう)の新型コロナ危機は国内経済を急激に悪化させ、生活が厳しくなった世帯も少なくない一方、日本全体で見ると家計収支の黒字率を短期的かつ大幅に上昇させ、 家計の現預金の急増をもたらした
  • 21年度補正予算に家計向け現金給付金の再支給が盛り込まれれば、その支給時期に現預金がさらに積み上がる公算が大きい

◎野村証券の中島武信チーフ金利ストラテジスト

  • 昨年の一律10万円給付金はほとんどが貯蓄に回った影響で、銀行の預金が増加。預貸ギャップ(預金と貸出金の差)の拡大に伴い大手銀行を中心に国債の購入が増加した
  • 20年6月から今年3月までに大手銀や地方銀行の円債保有額は約20兆円増えた。給付金で増えたとみられる貯蓄を大きく上回る規模の資金が流入し、国債増発による金利上昇圧力の一部を打ち消した
  • 今回の子ども給付金は一律10万円給付と比べると規模は小さいが、資金が債券市場に流れる構図に変わりないだろう
  • 預貯金を抱えた金融機関の資金は比較的短い債券に集まるだろうが、長めの債券への波及を通じて債券相場全体にプラス材料になる

◎SMBC証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジスト

  • 10月の全銀協の銀行預金貸出データによると、6月をピークに縮小していた地銀・第二地銀の預貸ギャップが4カ月ぶりに拡大に転じた。現在策定中の補正予算が年内成立となれば、来年1-3月に再び財政マネーの市中供給ペースが速まってくることが予想される
  • ペースダウンしていた預金の増加ペースは再び加速する可能性があり、余剰資金運用圧力は増してこよう
  • グローバルな需給トレンドとはまた別の要素が円債市場に加わってくるとみておくべきかもしれない
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE