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アシックスが新型サステナ連動債、目標未達で排出権購入-手法広がる

  • CO2削減活動を後押し、国内初の取り組みも意識-財務担当者
  • 国内では寄付型が多く、イオンモールやTDKなどが採用予定
An Asics Corp. company logo,

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Photographer: Simon Dawson

発行が増えつつあるサステナビリティー・リンク・ボンド(SLB)に、新たなタイプが加わる。アシックスは今月下旬にも発行予定の社債で、ESG(環境、社会、企業統治)目標を達成できなかった場合に排出権を購入するスキームを国内で初めて採用する。

  アシックスが発行を予定するのは年限5年で100億円のSLB。環境評価のNPOである英CDPによる気候変動に関する企業活動の最終評価を「A-」以上に維持することを目標に設定。2026年6月末時点で未達成の場合、社債発行額の0.1%相当の排出権を購入する仕組みだ。 

  アシックス経理財務統括部の担当者は電子メールで、今回のスキームを採用した狙いについて、排出権を購入することで二酸化炭素(CO2)を削減する側の活動を後押しすると説明。国内初の取り組みになる点も意識したという。

国内SLBは寄付型が多い

スキーム別発行額

ブルームバーグ

発行予定額は10日時点の判明分

  調達資金の使途が限定されるグリーンボンド(環境債)などのESG債に対して、SLBはESG目標を設定した上で、資金を一般的な事業目的に幅広く充当できることが特徴。昨年10月にヒューリックが国内初のSLBを発行しており、現在準備中の案件も含めると計11本となる。

  目標未達で利率が上がるステップアップ型のほか、一定額を環境団体などに寄付する仕組みが広がりを見せている。ANAホールディングスと東急不動産ホールディングスが寄付型で起債しており、今後もイオンモールやTDKなどが予定している。

  SLBでは設定するESG目標の水準も重視される。アシックスのCDPからの気候変動に関する活動評価は16年から19年にかけて「B」で推移していたが、20年に初めて「リーダーシップレベル」と位置付けられる「A-」に上がった。

  CDPは企業への質問内容とスコアリング基準を毎年更新しており、アシックス債にSLBとしての適格性を評価した格付投資情報センター(R&I)は、アシックスが「A-」を維持するには不断の改善努力を要するとの見解を示した。

  アシックスでは30年に温室効果ガス排出量を15年比で63%減らし、50年に実質ゼロにすることなどを重要な評価指標(KPI)に据える。排出権購入型はステップアップ型や寄付型に比べ、KPIとのつながりがより強いとも説明した。

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