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ブレイナードFRB議長誕生なら低金利長期化か-市場の観測

  • 市場参加者の多くは米国債利回り低下の可能性を予想
  • ブレイナード氏がタカ派に転じるサプライズも-ストラテジスト
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Photographer: Bloomberg Daybreak

ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が、来年2月が任期満了のパウエル議長の強力な後任候補となっていることを示唆するこれまでで最も有力なシグナルが明らかとなり、バイデン大統領が実際にブレイナード氏を議長に指名した場合、金融市場がどのように反応するか観測が広がった。

  ブルームバーグ・ニュースは8日、ブレイナード氏が先週のホワイトハウス訪問時にFRB議長職について聞き取りを受けたと報じた。FRB次期議長人事の発表が近年類を見ないほどずれ込んでいることで、ずっと続投が予想されていたパウエル氏が再任されるかどうか既に不透明感が生じている。

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  ブルームバーグの報道を受けて米国債利回りは低下した。金融政策を巡ってブレイナード氏はパウエル氏よりさらにハト派的と総じて受け止められており、投資家の間ではブレイナード氏が議長になれば資産購入のテーパリング(段階的縮小)のスケジュールに従うかどうかや、現時点で予想されているよりも長い期間、利上げ開始を控えることになるかどうか、議論が繰り広げられている。

  バイデン大統領がブレイナード氏を次期議長に指名した場合の市場の反応について、市場参加者が想定するシナリオなどは次の通り。

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ブレイナードFRB理事
Source: Bloomberg

低金利長期化

  BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、イアン・リンジェン氏は、ブレイナード氏が議長に指名されれば、より長期にわたって金利を低めに据え置くとともに、将来的に利上げする場合でももっと緩やかな動きとなる公算が大きいとして、債券相場には一段と強気の材料となるとの見方を示した。

インフレ期待上方シフト

  ニュビーンのチーフ投資ストラテジスト(CIS)、ブライアン・ニック氏はブレイナード氏について、どちらかといえば「一層ハト派的で、早期利上げにはより消極的と見受けられる」とし、議長に指名されることになれば、低めの金利と高めのインフレ期待、実質金利の低下などが見込まれると話した。

早期の試練

  ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同CIS、エミリー・ローランド氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ブレイナード氏が議長に指名されたとしても大きなボラティリティーを引き起こすことはないだろうと指摘。同時に議長以外のFRBポストも来年にかけて入れ替わり、景気減速下にあってもインフレ抑制を急ぐ必要性が生じる可能性があり、金融当局は早期に試練に直面するだろうと語った。

タカ派サプライズ

  ノルデア・インベストメント・ファンズのシニア・マクロストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー氏は、最初に成長株を中心に株式に前向きな反応があって、将来見込まれる利上げ幅の縮小を背景に米2年債と5年債など期間が短めの国債同士のイールドカーブ(利回り曲線)がフラット化する可能性を指摘する。

  しかし、その後はブレイナード氏が家計や企業のインフレ期待をつなぎ止めるためもっとタカ派的な姿勢に転じ、「市場には極めて大きなサプライズとなると予想されるが、それには数週間かかるだろう」と述べた。 

2022年中間選挙

  ブリークリー・アドバイザリー・グループの最高投資責任者(CIO)、ピーター・ブックバー氏はリポートで、量的緩和(QE)プログラムは現行のスケジュール通り来年6月までに終了するかもしれないが、民主党員であるブレイナード氏が2022年11月の中間選挙後まで利上げを見送るのではないかと指摘した。

動乱期 

  ニューヨーク・ライフ・インベストメンツのエコノミスト兼ポートフォリオストラテジスト、ローレン・グッドウィン氏は、「利上げ開始の検討に先立って、テーパリングを終了させるとの金融当局のメッセージに市場は納得していない」と語り、ブレイナード氏が議長に指名されるにしても、パウエル氏が続投するにしても、金融当局がテーパリングを進める今後8カ月ほどは投資家にとって非常に居心地の悪い期間となるだろうと考えている。

後になって大幅利上げか?

  フェデレーテッド・エルメスのチーフ株式市場ストラテジスト、フィル・オーランド氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、FRBの新チームが今後2年間にテーパリングと利上げの計画を実行するかどうかが最初の質問で、その答えが「ノー」であるならば、1980年代初頭にボルカー議長が断行したような急ペースの利上げの必要性が生じるかが問われるとコメント。「私はその答えを知らないが、誰がプレーヤーであるかが分かれば、市場はこの質問に取り組まなければならないだろう」と話した。

継続性を促す要因

  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は金融当局の決定に影響を及ぼして継続性をもたらすような多くの制度的な諸力が存在するとして、地区連銀の役割やFRBスタッフの影響力などを指摘した。

原題:A Brainard Fed May Mean Lower for Longer: Wall Street Reacts(抜粋)

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