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中国共産党の習総書記による権力強化、中国経済リスク拡大も

  • 高齢化や債務拡大など課題山積、経済の活力奪われるリスク
  • 本来なら地方分権や試行錯誤が必要、習氏のモデルは逆-マグナス氏
Xi Jinping speaks during the opening ceremony of the China International Import Expo (CIIE) on Nov. 4.
Xi Jinping speaks during the opening ceremony of the China International Import Expo (CIIE) on Nov. 4. Source: STR/AFP/Getty Images

中国共産党の習近平総書記(国家主席)が毛沢東以降で最も強力な権力を持つ指導者として、中国を無期限で統治する方向であっても、それは習氏がいつでも欲しいものを手に入れることができることを意味するわけではない。

  最近講じられた一連の政策を見ると、習氏が巨大な官僚機構を管理する上で直面する困難が浮き彫りとなっている。当局者は全国的なエネルギー危機を深刻化させた炭鉱や発電所の管理者のように指示・命令を過度に受け止めたり、不安で身がすくみ、前例のない規模の洪水や感染症など大きな危機が訪れても自主的な判断ができなくなったりしている。

  こうした状況は習氏が自ら招いている部分も大きい。孫子の兵法にある「将在外、君命有所不受(将、外にあっては君命を奉ぜざるあり)」のように、中国の地方政府は中央からの指示に一部応じないこともかつてはあった。習氏による中央集権化に加え、多数の役人を摘発してきた反腐敗運動がリスクを高め、現場の当局者の動機もゆがめることになった。

中国共産党が6中総会、歴史決議採択へ-習氏の終身統治視野も

CHINA-POLITICS
国慶節の前日に開かれた式典に出席するため北京の人民大会堂に姿を現した習近平国家主席や李克強首相ら(9月30日)
Photographer: Greg Baker/AFP/Getty Images

  その結果、多くの官僚は最高指導部をどのように満足させることができるのか、そしてどうすれば不透明な共産党内で昇進していけるのか理解しにくくなっている。

  これは、習氏にこれまでの指導者に比べて強い権限を与える可能性があり、過度な腐敗への取り締まりの一助となってきたが、景気が減速し、労働力の高齢化や国内の債務拡大、貿易相手国との関係悪化など課題が山積しているタイミングで、経済の活力を奪ってしまうリスクも抱えている。

  オックスフォード大学の中国センターで、リサーチアソシエイトを務めるジョージ・マグナス氏は、「皮肉だが中国は2020年代以降に新たな発展モデルを採用する必要があり、本来なら地方分権化や試行錯誤を進める強い論拠があるはずだ」と指摘。「それが習氏のモデルはこれとは全く逆で、柔軟性を欠いた不備のある構造を求めており、こうした統治モデルを遅かれ早かれ後悔することになるかもしれない」と述べた。

原題:
Xi’s Expanding Power Is a Growing Risk for China’s Economy (1)(抜粋)

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