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米FRB、高リスク資産の価格上昇やステーブルコイン台頭に警告

更新日時
  • 中国不動産部門にも懸念表明、米不動産市場も関心事-金融安定報告
  • ミーム株巡る熱狂と同様の「予測し難い」高ボラティリティー頻発も
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S., on Monday, Nov. 1, 2021.

The Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, D.C., U.S., on Monday, Nov. 1, 2021.

Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)は8日、半期に一度の金融安定報告を発表し、リスクの高い資産の価格が上昇し続けており、経済情勢が悪化すれば危険な急落の恐れが高まっていると警告した。新たに台頭しつつある脅威として法定通貨などの資産価値に連動するステーブルコインも挙げた。

  FRBはその中で、「投資家のリスクセンチメントが悪化したり、新型コロナウイルス感染封じ込めの進展が鈍るか、景気回復が失速したりすれば、資産価格は大幅下落に見舞われやすい状況が続いている」と指摘した。

Short-Term Increase In U.S. Debt Ceiling Passes Senate
ワシントンのFRB本部
 

  このほか報告では、ステーブルコインを巡る脅威が高まっていると論評するともに、中国の商業不動産部門の脆弱(ぜいじゃく)さが劇的に高まれば米国に波及する恐れがあると分析。さらに、トレーディングにおけるソーシャルメディアの影響が大きくなるのに伴い、今年のミーム株を巡る熱狂と同じような「予測し難い」ボラティリティーの高まりが一段と頻発する可能性があるとしている。

  金融安定報告は金融システムを損ないかねないリスクを明記するのが趣旨で、マネーマーケットファンド(MMF)の「構造的な脆弱性」といった過去の報告でも触れた懸念の多くを今回も列挙。ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の取引の大部分を支えるステーブルコインに関しても、同様の懸念が当てはまる可能性を指摘した。

  FRBは最新の報告で、ステーブルコインには取り付け騒動の対象となる恐れがあるとし、支えとなる資産に関する「透明性やガバナンス基準の欠如」によって問題が悪化しかねないと警告した。

  イエレン財務長官が主宰し、パウエルFRB議長もメンバーの1人である金融市場に関する米大統領作業部会(PWG)は1日発表の報告書で、ステーブルコインについて、発行企業を対象とする資本規制や常時の監督の権限を金融規制当局に付与するよう、法整備を議会に呼び掛けた。

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  また、FRBが懸念を抱くもう1つの分野として、中国不動産部門の混乱と同国規制当局が中国恒大集団など高レバレッジ企業に重点を置いている点を指摘。「中国の金融面のストレスはリスクセンチメントの悪化を通じて世界の金融市場を緊張させたり、世界的な経済成長のリスクとなったり、米国に影響を及ぼしたりする恐れがある」との分析を示した。

  米不動産市場の動向もFRBの関心事の1つ。5月に前回報告を発表以降、価格の「急速な上昇」があったとする一方で、「高レバレッジの不動産投資活動もしくは引き受け基準劣化の兆候は現時点でほとんどない」として、2008年の金融危機をあおったような種類の危険な市場慣行は見られないとしている。

  一方、報告には金融安定にとって何が最大の脅威と考えるか、証券会社や投資ファンド、政策助言会社など計26の接触先の調査も掲載。持続的な高インフレやワクチンの効かない新型コロナ変異株の出現、中国の規制と不動産絡みのリスク、米中関係、暗号資産などが挙げられた。

  エコノミストの一部は、事実上のゼロ金利政策や、多額の米国債および住宅ローン担保証券(MBS)購入など連邦準備制度の政策自体が資産価格高騰の大きな要因だと論じている。

原題:Fed Warns of Peril in Run-Up of Risky Asset Prices, Stablecoins(抜粋)

(報告の詳細や最近の動きを追加して更新します)
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