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エネルギー高と円安、現状で日本の経済厚生は低下せず-日銀意見

更新日時
  • 円安は各国の物価上昇率や金融政策スタンスの違いを反映
  • 感染症の資金繰りへの影響、中小企業に限定されつつある
The Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.

The Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行が8日に公表した10月27、28日の金融政策決定会合における「主な意見」によると、委員からは、エネルギー価格の上昇や円安の進行に伴うインフレ圧力の強まりが「現状では日本全体の経済厚生を低下させる可能性は低い」との指摘があった。

  個人消費の低迷など新型コロナウイルスの影響が続く中で、コスト上昇が企業収益や家計を圧迫することが懸念されている。黒田東彦総裁は会合後の会見で、現時点の円安が日本経済に「プラスなのは確実」とし、輸出や海外子会社収益の増加効果が「輸入コストの上昇によるマイナスの影響をかなり上回っている」と述べていた。

  会合では、円安の背景について「各国の物価上昇率や金融政策スタンスの違いを反映している」との見方が出た。日本経済への影響に関しては、「実体経済や金融市場を通じたさまざまな波及経路を考慮する必要がある」「業種や規模、個々の経済主体によって影響が不均一であることも念頭に置く必要がある」との意見も示された。

  コロナの感染状況が落ち着きつつある中、企業の資金繰りへの影響が「売り上げの低迷が続く業種や中小企業に限定されつつある」との見方が出た。大企業の資金繰りが改善する中での社債買い入れは「価格決定メカニズムなどの市場機能や年金・生保などの運用に与える影響にも一層の配慮をしていく必要がある」との声もあった。

  当面の金融政策運営は、来年3月末に期限を迎えるコロナ対応の資金繰り支援特別プログラムの取り扱いが焦点となっている。同プログラムは主に大企業向けのコマーシャルペーパー(CP)・社債の増額買い入れと、中小企業向けを中心とした金融機関に対する低利の貸付制度で構成されている。

他の「主な意見」

  • 「3つの柱」の感染症対応を通じ、資金繰り支援と市場安定維持に努めていくことが重要
  • これまでの極めて緩和的な金融政策を粘り強く継続していくことが重要
  • 物価目標に達していない下では、金融緩和を修正する理由は全くない
  • 交易条件悪化への対応は、金融緩和で需給ギャップを改善させ、価格転嫁が進みやすくすることが重要
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