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ウォール街、パウエル議長再任ないシナリオ議論-人事発表待ち長びく

  • 市場に優しいパウエル議長が交代なら短期的に「衝撃走る」-ロー氏
  • 当局の手腕試される状況で新議長就任なら金利に先行き不透明感も
Jerome Powell
Jerome Powell Photographer: Matt McClain/The Washington Post/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事の発表は近年類を見ないほどずれ込んでおり、金融市場ではパウエル議長が再任されないという予想外の展開となった場合の影響について、議論が巻き起こっている。

  エコノミストや投資家は何カ月もの間、バイデン大統領がパウエル議長を再任させ、就任1期目の大統領が前任者指名のFRB議長を続投させる慣例が復活すると予想していた。しかし、大統領の決定に異例の時間がかかり、ブレイナードFRB理事が後任に起用されるのではないかとの臆測も重なり、パウエル氏再任説に疑念が浮上している。

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パウエルFRB議長
Photographer: Sarah Silbiger/UPI/Bloomberg

  ブルームバーグ調査によれば、エコノミストは依然としてパウエル氏を本命と見ている。だが、元FRB当局者でコーナーストーン・マクロの共同創業者ロベルト・ペルリ氏は、先週の米国債市場の動きから、パウエル議長交代への懸念の兆候を察知した。パウエル議長の就任以降、株式相場が堅調に推移してきた経緯を考慮すると、議長交代となれば少なくとも短期間は直ちに反応が見られる可能性があると市場参加者は話す。

  ステート・ストリートのシニア・グローバルマクロ・ストラテジスト、マービン・ロー氏は電話取材で、そうした展開となれば「衝撃が走るだろう」と述べ、「インフレや労働市場など全ての面でありとあらゆる状況が進行中であり、パウエル議長がもたらす継続性を途中交代によって断ち切る時では必ずしもない」と語った。

  連邦公開市場委員会(FOMC)が3日、債券購入プログラム縮小のペースと完了時期を打ち出し、連邦準備制度は新型コロナウイルス禍に対応した景気刺激策の縮小プロセスに着手したばかりだが、利上げの見通しは不透明だ。

The spread between 2-year and 10-year yields has narrowed
 
 

  コーナーストーンのペルリ氏は先週、期間が短めな債券利回りの方が長めの債券よりも大幅に上昇した理由の1つとして、パウエル議長の後任がFOMCのタカ派による早期利上げ要求を抑え込めない可能性に一定レベルの懸念がある点を挙げた。

  こうした動きはその後弱まったものの、トレーダーは持続的な高インフレが当局に来年利上げや資産購入縮小ペースの加速を迫るかどうか注目しており、ボラティリティー(変動性)が再び高まることも考えられる。

  UBSアセット・マネジメントの資産配分責任者、エバン・ブラウン氏はFRB議長に関する「決定は非常に重要だ」と指摘。「緊張をはらんで、米金融当局の手腕が試される状況にある。市場はFOMCのガイダンスに挑戦しており、新しいFRB議長が就任する場合、そのガイダンスにどれほどの信頼性があるだろうか」と述べ、新議長発表となれば金利を巡り市場に不透明感をもたらし、資産クラス全体に反響する恐れがあると語った。

Markets See Four Hikes Before 2024
 
 

原題:Wall Street Wonders About a Fed Without Powell as Wait Goes On(抜粋)

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