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トヨタ、今期営業利益2兆8000億円に上方修正-減産も円安追い風

更新日時
  • 大幅な減産も、為替変動が4300億円の増益要因に-市場予想は下回る
  • 通期の世界販売計画は下方修正、増配や自社株買いで株主還元強化も
The Toyota Motor Corp. 

The Toyota Motor Corp. 

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

トヨタ自動車は4日、今期(2022年3月期)の営業利益予想を2兆8000億円と従来計画の2兆5000億円から上方修正した。足下では半導体など部品不足の影響で減産が続くが、為替の円安方向などが追い風になるとみている。

  トヨタの発表資料によると、通期の想定レートを従来の1ドル=105円から110円に修正。為替変動による影響で営業益が従来予想から4300億円上振れる。ブルームバーグが事前に集計したアナリスト20人の営業利益の予想平均値2兆9695億円は下回った。売上高については従来予想の30兆円を据え置いた。

  第2四半期(7-9月期)では日本やアジア事業の利益が大幅に増加し、営業利益が市場予想の平均値を上回った。

トヨタ決算概要

今期業績予想

  • 売上高:30兆円(前期27兆2146億円、従来予想30兆円、市場予想30兆9718億円)
  • 営業利益:2兆8000億円(前期2兆1977億円、従来予想2兆5000億円、市場予想2兆9695億円
  • 純利益:2兆4900億円(前期2兆2453億円、従来予想2兆3000億円、市場予想2兆6901億円)

第2四半期(7-9月期)実績

  • 売上高:7兆5457億円、市場予想7兆1318億円
  • 営業利益:7499億円、市場予想5527億円
  • 純利益:6266億円、市場予想5006億円

  トヨタの近健太最高財務責任者(CFO)は同日のオンライン会見で、上期(4-9月期)は「新車市場の需給ひっ迫による、中古車価格の高止まりや販売費の低下といったプラス効果もあり、実力以上の部分もある実績」と評価。上方修正した通期予想についても為替変動による押し上げ影響があることから、「まだまだ課題があると受け止めている」と語った。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、「コンセンサスには届かない上方修正だが、ネガティブではない」と評価。会社側が為替変動の影響を除けば実質は下方修正としたのも「決して気を緩めない、緩めさせないトヨタらしい言い方」だとし、最終的な今期営業利益の着地点は市場予想並みかそれ以上になる可能性があるとの見方を示した。

  新型コロナウイルス感染拡大に伴う取引先の工場停止や物流の乱れ、世界的な半導体不足などにより自動車部品のサプライチェーン(供給網)には混乱が広がっている。サプライチェーンの問題を背景に英調査会社IHSマークイットは9月、今年と来年の小型車の生産台数見通しを大きく引き下げ、業界には衝撃が広がった。

  減産の波は東日本大震災を機にサプライチェーンを強靱(きょうじん)化したトヨタにも広がった。同社は8月下旬から一部の工場の稼働を停止し、9月と10月も大幅な減産を強いられた。東南アジアのコロナ感染の沈静化などに伴い11月は過去最高に迫る水準の生産を計画しており、今後どこまで挽回できるかが焦点になる。

トヨタ、減産分の挽回生産来期にずれ込みも-「近年にない高負荷」に

  近CFOは、減産リスクが依然として残っていることからトヨタが同日発表した今期生産台数見通しの900万台は「若干保守的に見ている」と明らかにした。その上で、半導体不足の状況は今後まだ慎重に見極めていく必要がある一方で、「多少の減産リスクはあっても相当高いレベルまで生産が回復するのは間違いない状況」との見方を示した。

部品不足が直撃

大幅な減産の影響で販売台数も減少

出典:トヨタ自動車

  今期のトヨタ・レクサスブランドの世界販売台数見通しは従来計画比2.1%減の940万台とした。ダイハツ工業や日野自動車を含めたグループの世界販売計画も1029万台と従来の1055万台から引き下げた。

  株主還元では中間配当を1株当たり120円と前期から15円増配したほか、1500億円、発行済み株式総数の0.86%を上限とする自社株買いも発表。これを受けてトヨタ株は上昇幅が拡大し、一時前営業日比2.5%高の2100円まで買われた。その後、急速に値を下げて下落に転じる場面もあり、2063円で取引を終えた。

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(会見の発言などを追加して更新します)
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