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債券市場の津波が豪中銀に政策転換迫る-世界の金融当局に教訓

  • 忍耐強くあり続けると強調したロウ総裁、利上げ観測押し戻しに成功
  • 豪中銀の決定後、ECBと英中銀の利上げ予想も短期市場で後退した

債券市場の「1」に対し中央銀行側は「0」-。市場の圧力を受けてオーストラリア準備銀行が政策変更を余儀なくされた時点でのスコアだ。

  インフレ急進をきっかけに債券売りが始まり豪国債の利回りは中銀目標の8倍以上に達した。ロウ総裁は2日、イールドカーブのコントロールを放棄せざるを得なかった。インフレを野放しにはしないとトレーダーや家計を安心させることができない世界の中銀が進む方向を定めた形だ。

豪中銀がYCC目標を撤廃、利上げには一定の時間-23年に含みも

  1990年代以来の大幅な利回り上昇に直面した豪中銀の退却は、当局に行動を求める投資家の要求を退けるのは難しいことをと示唆している。米連邦準備制度やイングランド銀行、欧州中央銀行(ECB)は、利上げ時期予想の前倒しに直面している。

  各中銀は今、非伝統的な金融緩和策を引き揚げつつ伝統的な手段である政策金利は必要な限り下限付近にとどまると市場に信じさせようとしている。  

Central banks face bets on aggressive hikes despite soggy data
 
 

  豪中銀の1年8カ月にわたる実験の終わりを告げる声明の中でロウ総裁は、市場の圧力に事実上屈したことを認めた。それでも、忍耐強くあり続けると強調したことで同総裁は、早期利上げを見込む最も積極的なポジションの一部を縮小させることに成功した。ユーロ圏と英国の短期金融市場でも、利上げ予想が若干後退した。

  豪中銀による2日の決定は市場の勝利のように見えたが、政策発表後の動きは、イールドカーブのフラット化を見込む取引が巻き戻され得る可能性も示した。ドイツと英国の30年債と5年債の利回り格差は5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつ拡大した。先週はそれぞれ2018年と17年以来の大幅な縮小だった。

  とはいえ、エバコアISIの中銀戦略責任者クリシュナ・グハ氏は「豪中銀の実験を見守っていた他の中銀にとって、勇気付けられるような終わり方ではない」とリポートでコメント。

  「懐疑派は豪中銀の実験について、イールドカーブコントロールは為替の固定相場制のようなもので、利回りの見通しが中銀目標とずれたときには防衛しきれないリスクが常にあるということを示したと考えるだろう」と指摘した。

RBA regularly defended target before going quiet last week
 
 

原題:Bond Rout Forces Australia Policy Shift in Lesson for the World(抜粋)

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