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豪中銀がYCC目標を撤廃、利上げには一定の時間-23年に含みも

更新日時
  • 利上げ条件が整う時期巡り「ある程度の時間がかかる可能性が高い」
  • 24年4月より前に行われそうにないが23年の利上げ適切とも思われる

オーストラリア準備銀行(中央銀行)は2日、3年国債の利回り目標によるイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を停止すると発表した。政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標は過去最低の0.10%に据え置いた。

  豪中銀は利上げの条件が整う時期を巡り、「ある程度の時間がかかる可能性が高い。2023年末時点で基調的インフレ率は2.5%を上回ることはなく、賃金の伸びは緩やかな上昇にとどまるというのが中心予測だ」との認識を示した。

  しかし「24年より前に(条件が)満たされないというのが経済の中心シナリオ」という従来繰り返された表現は、2日の声明ではもはや見当たらない。

  ロウ総裁は声明で、「利回り目標を撤廃する決定は、景気改善とインフレ目標に向けた予想より早い進捗(しんちょく)を反映している」と説明。さらに政策発表後のウェビナーで、「最初の利上げは24年4月より前に行われそうにないが、同時に23年の利上げが適切とも思われる。タイミングは『実に不透明』だ」と語った。

  豪3年国債の利回りはシドニー時間午後4時9分(日本時間同2時9分)時点で7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.94%。10年国債利回りは1.90%。一時は1.99%を付けていた。

RBA Governor Philip Lowe News Conference
ロウ豪中銀総裁
Photographer: James Brickwood/AFR/Bloomberg

  豪中銀は債券購入プログラムについては、週40億豪ドル(約3400億円)のペースで少なくとも来年2月半ばまで継続する方針を確認した。

  利上げの条件に関しては、「政策委員会は実質インフレ率が2-3%の目標レンジの範囲内で持続的に推移するまでキャッシュレートを引き上げない。この条件を満たすには、現時点よりかなり高い賃金の伸びを十分生むほど労働市場がタイトになる必要がある」という従来の立場を繰り返した。

  豪中銀の声明の他の主な内容は次の通り。

  • 21年の国内総生産(GDP)成長率予想を3%に下方修正する一方、22年は5.5%に引き上げ
  • 今年と来年の基調的インフレ率が2.25%前後と予測
  • インフレ率は上昇しているが、基調的にはなお低い
  • CPIの圧力は他の地域より少ない-賃金の伸びは緩やか
  • 利回り目標の金利抑制効果は弱まった
  • オーストラリアの金融情勢は高度に緩和的
  • 高度に支援的な金融政策の維持にコミット

 豪中銀総裁のウェビナーでの主な発言は次の通り。

  • 利上げ決定はカレンダーでなくデータ次第
  • 他の中銀の利上げに留意するが、豪中銀の状況は異なる
  • インフレ率が急上昇しても大目に見る用意
  • 早期の利上げ観測はインフレデータへの過剰反応
  • 利回り目標の引き上げ、対象の満期変更も選択肢だった
  • QEプログラムの将来について臆測することを望まない
  • 利回り目標を再び行うことは考えていない
  • 中銀が買い入れた債券は満期まで保有する予定


原題:Australia Drops Yield Target as It Joins Global Policy Unwinding、RBA Scraps April 2024 0.1% Government Bond Yield Target、*LOWE: ‘GENUINE UNCERTAINTY’ AS TO TIMING OF FIRST RATE RISE、*LOWE: PLAUSIBLE FIRST RATE RISE WON’T COME BEFORE APRIL 2024、*LOWE: ALSO PLAUSIBLE LIFT IN CASH RATE APPROPRIATE IN 2023(抜粋)

 

(ロウ総裁の発言などを追加して更新します)
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