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自動車各社決算、今期業績予想へのサプライチェーン問題の波及に注目

  • 部品不足、各社の業績のばらつきに拍車かかる恐れ-識者
  • 自動車需要は堅調、減産影響による在庫減で利ざやの改善も

トヨタ自動車を皮切りに自動車各社の決算発表が今週後半から始まる。部品供給の混乱による生産減少が各社の販売に影を落としているものの、消費者の旺盛な需要が収益を支えているようだ。

  S&Pグローバル・レーティング・ジャパンの中井勝之主席アナリストによると、自動車メーカーは世界的にここ数カ月大きな試練に直面してきたと話す。国内メーカーも例外ではなく、原材料高騰や部品不足といった深刻な課題があり、今後販売台数が抑制される可能性もあると指摘した。

  第2四半期(7-9月期)には東南アジアでの新型コロナウイルスの感染再拡大により工場の操業が影響を受け、トヨタやホンダ自動車日産自動車など自動車各社は減産を強いられた。

  中井氏は、このような状況により、各社の業績のばらつきに拍車がかかると予想する。収益力を勘案すると、部品不足による販売回復の遅れの影響はトヨタとホンダ以外のメーカーにより顕著に現れそうだと話した。

トヨタら日系自動車6社が販売2ケタ減-9月、大幅減産が影響 (1)

  一方で、モルガン・スタンレーMUFG証券の垣内真司アナリストは、減産と米国などの主要な市場での旺盛な自動車需要は、短期的に各社にとってプラス要因にもなるとみる。供給が需要に追いつかないという自動車市場にとって珍しい状況の中で低在庫により価格が上昇、結果的に利ざやの改善につながっているという。

トヨタ

  • サプライチェーン(供給網)問題で減産を強いられたことから、今期(2022年3月期)の生産量目標や利益見通しを維持するか下方修正するかに注目が集まる
  • 東南アジアからの主要部品の供給を確保できず減産を強いられた。同社は従来930万台としていた今期の生産台数見通しを900万台レベルに引き下げたが、今期の営業利益見通し2兆5000億円については修正してこなかった
  • 10月には生産の足かせとなってきた東南アジアでの感染拡大や世界的な半導体不足が改善に向かっており、これまでの減産分の挽回を目指す考えを表明
  • 4日に決算発表を予定

日産

  • 部品不足が年間の生産台数計画と今期業績の黒字化にどう波及するのかが注目ポイント
  • トヨタやホンダが減産規模を明示しているのに対し、日産は具体的な台数は明らかにしていない。ただ、半導体の供給不足の影響が第2四半期に最も大きく出る可能性があるとの認識を示していた。
  • 世界的な自動車需要が伸びる中で、新たに投入された車種の販売動向にも関心が集まる。材料費の上昇をインセンティブやコストの削減で相殺できているかどうかも重要なポイント
  • 内田誠最高経営責任者(CEO)9月のインタビューで、部品不足などの課題が生じている中でも、中期計画の中で22年3月期の目標として示した中国事業を含めた営業利益率目標2%以上の達成に自信を示した
  • 9日に決算発表を予定

ホンダ

  • 8月に今期の営業利益予想を6000億円から7800億円に上方修正したが、足元では減産に直面-ブルームバーグが集計したアナリストの予想平均は7911億円
  • ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、8月中旬以降に半導体不足に加えて部品調達難で想定外の減産を余儀なくされており、以前よりも業績予想の「ダウンサイドリスクが増している」と指摘
  • 11月上旬の鈴鹿製作所と埼玉製作所の生産稼働率は約9割になる方針
  • 9月の世界販売は前年同月比25%減の33万1174台-生産は30%減の33万940台
  • 5日に決算発表を予定

スバル

  • 期初に示した今期の業績予想は変更していないが、好調だった米国販売が半導体不足の影響を受けている
  • 国内の工場を9月に一時停止しているが業績への影響は不明としていた。日本経済新聞の報道によると、10月の国内生産は40%減となる見込み
  • 10月の世界販売は前年同月比24%減の6万4524台
  • 今期の営業益予想は2000億円に対し市場予想は1894億円
  • 5日に決算発表を予定

三菱自動車

  • 東南アジアに強い販売基盤を持っており、新型コロナの影響を大きく受けている。同社は7月に今期の営業益予想を上方修正しているが、部品不足で見直しを迫られる可能性もある
  • 今期の営業益予想は400億円-市場予想は401億円
  • 4日に決算発表を予定

  

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