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インフレファイターが資金呼び込む-物価上昇の新興国市場

  • 積極的な引き締めを行う中銀、自国通貨の好成績で報われる可能性
  • 財政政策と金融政策の間にも一貫性が必要との指摘も

新興国投資では、インフレが一過性を超えるものにならないよう中央銀行が物価上昇に積極的に対応している国・地域の資産が最も買われて報われている。

  途上国のインフレ率がここ10年余りで最も大きく予想を上回る中で、ロシア・ルーブルと韓国ウォンは先月、他の大半の新興国通貨より大きく上昇した。

  ユリゾンSLJキャピタルの資金運用担当者、アラン・ウィルソン氏(ロンドン在勤)は「積極的な引き締めを行う中銀は、自国通貨のアウトパフォーマンスで報われる可能性がある」と指摘した。物価上昇は新興国資産の利回り面での先進国資産に対する優位性を損ねる恐れがある。

Hawks Rule

Nations where yield curves signal stronger fight against inflation make bigger currency gains (and laggards show losses)

Source: Bloomberg

Note: Yield curve changes are calculated since June 30, 2021 and currency changes are reckoned for this month.

  

  ロシアでは今年6回の利上げ後、長期債が買われている。10年物利回りは先週、2017年以来初めて短期債を下回った。ロシア中銀は10月、市場予想を超える大幅利上げを発表。トレーダーが高金利の期間が続くと相場に織り込み、長短金利が逆転した。ルーブルの月間上昇率はほぼ1年ぶりの大きさとなった。  

Yields on short OFZs exceed those on long debt for first time since 2017
 
 

  韓国でも長期債が短期債より好調で、10年物と3年物の利回り格差は20年3月以来の小ささ。8月の利上げ後、韓国銀行はアジアで金融引き締めの最前線に立ち、10月のウォン相場は他の大半のアジア通貨を上回る成績を残した。

  対照的にトルコとブラジルの通貨は10月、新興国の中では最も大きく売られた。イールドカーブはスティープ化した。

  トルコ中銀は9月に続き10月も利下げを実施。借り入れコストを引き下げればインフレが鈍化すると考えるエルドアン大統領からの圧力もあり、金利引き下げ幅は市場予想を上回った。これを受け、トルコ・リラは最安値を更新した。

トルコ中銀が再び利下げ、市場予想上回る2ポイント-リラ最安値更新

  ブラジル中銀は今年、世界で最も積極的に金融政策を引き締めている。ただ、政府の支出拡大計画が中銀の物価抑制の取り組みを損ねている。

  FIMパートナーズで新興国市場債担当最高投資責任者(CIO)を務めるフランチェスク・バルセルス氏(ロンドン在勤)は「中銀の信頼性はインフレとの闘いにおいて重要であると同時に、財政政策と金融政策の間にも一貫性がなければならない」と述べ、「特にブラジルのように財政が脆弱(ぜいじゃく)である場合、またはトルコのように金融政策が完全に暴走すれば、市場が罰することになる」との見方を示した。

原題:Inflation Fighters Lure Emerging Investors as Prices Surge (1) (抜粋)

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