アップル株急落、供給上の制約でホリデー商戦の販売に打撃の恐れ
Mark Gurman-
供給制約が7-9月売上高を60億ドル押し下げ-悪影響さらに拡大へ
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半導体不足が「現時点で当社製品のほとんどに影響」-クックCEO
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米アップルの株価は28日の時間外取引で急落した。供給上の制約が想定以上に大きく、7-9月(第4四半期)売上高はアナリスト予想を下回った。この問題は同四半期の売上高を約60億ドル(約6800億円)押し下げる要因となったが、年末のホリデー商戦ではさらに大きい影響を見込んでいる。
失望される内容となった7-9月期決算の発表後、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は電話会見で、10-12月(第1四半期)には供給不足による悪影響が60億ドルを上回るとの見通しを示した。消費者の需要は非常に旺盛で、供給が追いついていないと説明。制約は半導体不足と新型コロナウイルス禍の影響が要因だとした上で、コロナ感染流行で生じた課題は大部分解消されていると付け加えた。
クックCEOは半導体不足が「現時点で当社製品のほとんどに影響している」と語った。
7-9月期売上高は前年同期比29%増の834億ドルと、市場予想平均の847億ドルに届かなかった。アップルは「iPhone(アイフォーン)」の最新機種「アイフォーン13」を9月下旬に発売した。
今回の結果は、自動車やテクノロジー、消費財業界に大打撃を与えている世界的な供給不足をアップルが乗り越えられるか新たな懸念を生じさせた。同社がホリデーシーズンに間に合うよう消費者の手元に届ける必要のある新製品は多数あり、アイフォーン13のほか、「アップルウオッチ」や「iPad(アイパッド)」、「マック」などの新製品も投入している。

株価は決算発表後の時間外取引で一時5.3%安の144.42ドルを付けた。年初来上昇率は28日の通常取引終値時点で15%。
主力製品アイフォーンの7-9月期売上高は新旧モデル合わせて389億ドルで、市場予想の416億ドルを下回った。
供給不足は新モデル発売直後から打撃を与え、その後も続いた。消費者はアイフォーンやアイパッド、アップルウオッチ、マックの新モデルを購入したくても、11月後半か12月まで入荷待ちとなっている。
アップルは10-12月期の公式なガイダンスを示さなかったが、ブルームバーグの集計したアナリスト予想平均では、売上高は約1200億ドルと見込まれている。アップルによると、アイパッドを除いた全てのデバイスで今四半期売上高は前年同期比プラスになる見通し。クックCEOは供給上の課題が大き過ぎるためアイパッドの増収は困難になるとの見方を示した。

他部門の7ー9月期売上高は、マックが前年同期比1.6%増の92億ドルで、市場予想に届かなかった。一方、アイパッドは21%増の82億5000万ドルで、市場予想平均(72億ドル)を上回った。アップルは同四半期に「アイパッド・ミニ」やエントリーレベルのアイパッドの新モデルを発売したほか、4月には「アイパッド・プロ」の新機種を発表していた。
アップルウオッチやアップルTV、エアポッドなどを含むウエアラブル・ホーム・アクセサリー部門の売上高は87億9000万ドルで、前年同期比12%増加したが、市場予想平均(92億8000万ドル)を下回った。サービス収入は26%増の183億ドル。
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原題:Apple Tumbles After Tight Supplies Threaten Holiday Sales (2)(抜粋)