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黒田総裁、現在の円安「プラス確実」-輸出や海外子会社に好影響

更新日時
  • 為替水準は「若干の円安」「ファンダメンタルズの範囲内」
  • YCCの金利差による円安進行は現時点では「そうなりそうもない」

日本銀行の黒田東彦総裁は28日の金融政策決定会合後の記者会見で、現時点の円安は日本経済に「プラスなのは確実」との見方を示した。輸出や海外子会社収益の増加効果が「輸入コストの上昇によるマイナスの影響をかなり上回っている」と説明した。

  現在の為替水準は「若干の円安」と認識しており、「ファンダメンタルズの範囲内」とみている。

  長期金利をゼロ%程度に抑制するイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)は、海外との金利差拡大を通じ円安を誘発しやすい面があり、黒田総裁も「他の条件が等しければ円安をもたらす可能性がある」との認識を示した。ただYCCがさらなる円安進行につながるとの見方については、現時点では「そうなりそうもない」と語った。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda News Conference Following Rate Decision
会見中の黒田総裁(28日・都内)
Photographer: Shinnosuke Ito/The Asahi Shimbun/Bloomberg

  物価動向については、日本のインフレが高進するリスクは「極めて限定的」だとみている。需要の回復が米欧よりも遅れているほか、感染拡大時にも雇用の維持を重視したためで、企業も原材料費の上昇をマージンの圧縮で吸収し、販売価格を据え置こうという傾向が強いとしている。

他の発言

  • 円安の功罪、その時々の経済・物価情勢で変化する
  • 国際商品市況の上昇、ある程度は消費者物価に転嫁される
  • 企業物価と消費者物価のギャップ、すぐに縮小しない
  • 国内要因の供給制約はない、設備・雇用は維持されている
  • 欧米はスタグフレーションではない、インフレは一時的
  • 米国のテーパリング、金利や為替への影響は想定されない

  日銀は経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2021年度の実質国内総生産(GDP)と消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)の見通しを下方修正した。22年度のGDPは引き上げた。金融政策運営は現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。

 予想時点実質GDPコアCPI
21年度10月3.40.0
 7月3.80.6
22年度10月 2.90.9
 7月2.70.9
23年度10月1.31.0
 7月1.31.0

日銀が21年度経済見通し下方修正、22年度は上げ-供給制約を警戒 

 

(黒田総裁の発言を追加します)
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