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HSBCや野村など中国強気派増える-リスク警戒で距離置く向きも

  • モルガン・スタンレーは下げ過ぎだとしてジャンク債保有を勧める
  • キャシー・ウッド氏やジョージ・ソロス氏は警戒

中国資産にほとんど手を出せなかった7-9月(第3四半期)が終わってから数週間を経て、中国金融市場に対する強気な見方がコンセンサスになりつつある。

  今月だけでもHSBCホールディングスや野村ホールディングス、UBSグループなどの投資銀行が中国株に対し前向きに転じた。割安感に加え、中国政府による規制強化の懸念が後退したとしている。

  資産運用のブラックロックやフィデリティ・インターナショナルも買いに回り、モルガン・スタンレーは下げ過ぎだとして中国の投資不適格級(ジャンク)債の保有を勧めている。上昇しつつある人民元に資金を投じることは多くの通貨アナリストにとって当然のことのようだ。

  こうした投資家らが今考えているのは、事態がこれ以上、大きく悪化することはない、あるいは相場はすでに可能な限り値下がりしたということだ。不動産市場の減速や経済成長鈍化、習近平国家主席の民間企業締め付けはもう資産価格に織り込まれているとみている。

Analysts and investors have turned more bullish on Chinese stocks
 
 

  10月の相場回復は強気派の自信を強めた。株価指数にとっては1月以来の最良の月となりそうで、中国のジャンク債は先週、1年半ぶりの大きな値上がりとなった。人民元は通貨バスケットに対し5年ぶりの高値水準に迫っている。

  フィデリティのポートフォリオマネジャー、デール・ニコルズ氏は今月6日、「ファンダメンタルズよりもセンチメントが主に大きな打撃を受けた」との見方を示し、グローバル投資家として中国資産の選好をいち早く公言した。「投資は全てリスク・リワードに絡むものであり、多くの名のある投資家にとっては、最近の動きの後で好ましく見えている」としている。

  ただ、米当局がチャイナテレコム(中国電信)の事業免許を取り消し、ブリンケン米国務長官が国連機関での台湾の役割拡大を呼び掛け、米中間で緊張が高まったことを受け、27日の中国・香港株は大きく下落。リスクは他にも多くある。中国は新型コロナウイルスの散発的な流行に見舞われているが、コロナを一切容認しない戦略を続けている。自動車・住宅販売の落ち込みで景気が一段と減速する兆しもあり、多くのエコノミストが今年と来年の中国成長率見通しを引き下げた。

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  サクソバンクの株式・クオンツ戦略責任者ピーター・ガーンリー氏は「中国に対するわれわれの見方は変わっていない」と述べ、「住宅市場や債券市場、変化しつつあるサプライチェーンのリスクを考えると割安ではない。中国のゼロコロナ政策も、経済にとっての障害を生むことになる。そして中国の『共同富裕』運動は分配と平等性を一段と重視し、上場企業にとっての環境は不利になるだろう」との見方を示している。

  今年は中国の株式・クレジット市場にとって悪い年だったことは間違いない。民間企業の統制を強める習主席による衝撃的な動きが、中国株は「投資不能」に陥るかもしれないとの懸念を高めた。米アーク・インベストメント・マネジメントの創業者で最高経営責任者(CEO)のキャシー・ウッド氏は、中国市場はバリュエーションの観点から「長い間」圧力を受けそうだと警告。著名投資家のジョージ・ソロス氏は中国株の押し目買いをしないよう投資家に助言している。

China stocks' discount versus world has widened
 
 

  ただ世界株の株価純資産倍率(PBR)が3倍であるのに対し、MSCI中国指数はまだ1.94倍で推移しており、その開きは過去最大に近い。HSBCのストラテジストらは26日のリポートで、投資家は「弱気になり過ぎていた」との認識を示した。一方、モルガン・スタンレーのアジアクオンツ調査責任者ギルバート・ウォン氏は27日の電子メールで、「われわれは今回の値上がりが短命だと立証され得ることを投資家に再び伝える」とコメントした。

原題:Bulls Pile Into China Stocks, Credit Just as Risks Multiply (1) (抜粋)

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