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岸田政権でも日銀金融政策に変化なし、強まる財政との連携-サーベイ

  • 日銀が制御に動く円安125円、現行水準は経済にポジティブとの声も
  • コロナ対応策は延長予想が75%、3割は規模・内容の縮小を見込む

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日本銀行が今週開く金融政策決定会合では、現行の金融緩和策が維持されるとエコノミストはみている。岸田文雄政権下でも日銀の政策運営に大きな変化はないと予想しているが、大規模な経済対策の策定を見据えて財政との連携をより強めていくとの見方も出ている。

  エコノミスト49人を対象に19-22日に実施した調査によると、48人が27、28日の決定会合で金融政策の現状維持が決まると予想した。次の政策変更に関しては、2023年以降に金融引き締めを行うとの見方が76%を占めた。

調査リポート:日銀10月決定会合でほぼ全員が現状維持を予測

政策変更見込まず

日銀は22年まで現行緩和維持との見方が大勢

出所:ブルームバーグ・サーベイ

  今月4日に就任した岸田首相は「成長と分配」を柱とする経済政策を掲げ、数十兆円規模の経済対策の策定を表明している。自民党の政調会長には、積極財政を唱える高市早苗前総務相を充てた。

  新政権と日銀との関係について、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「高水準の国債発行額がさらに増えていくだけに、金融政策で波風を立てないよう日銀に緊密な連携を要求していくだろう」との見方を示す。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、岸田首相が財源議論を避けている中で、長期金利をゼロ%程度に抑制する現在のイールドカーブコントロール政策に「頼らざるを得ない雰囲気だ」と指摘する。

円安

  国際商品市況が高騰する中で円安が進んでいるが、76%のエコノミストは日本経済に悪影響を及ぼすほどの円安にはならないと予想している。日銀が制御に動く円安水準を尋ねたところ、中央値は125円となった。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、現在の水準は日本経済にポジティブとし、「日銀が当面円安を容認する可能性は高い」とみる。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、今後も資源高と円安が継続すれば「円安を助長する超金融緩和を修正すべきという論調が今後、強まる可能性がある」との見方を示す。

  新型コロナウイルス感染者数の減少を受けて、経済活動は正常化に向かいつつある。来年3月末が期限となる日銀の新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムは、延長されるとの見方が75%に達し、31%は規模や内容を縮小して延長するとみる。期限通りに終了するとの予想は24%だった。

展望リポート

  会合後に公表される新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、21年度の実質国内総生産(GDP)と消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)の見通しが下方修正される一方、22年度は共に小幅の上方修正が見込まれている。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、21年度の下方修正は一時的な足踏みとし、「ワクチン接種の進捗(しんちょく)や供給制約が徐々に解消されていくとの期待から、先行きの改善シナリオは維持すると見込まれる」としている。
 

 7月実質GDP見通しエコノミスト予想7月コアCPI見通しエコノミスト予想
21年度   3.8%   3.5%    0.6%   0.2%
22年度   2.7%   2.8%    0.9%   1.0%
23年度   1.3%   1.3%    1.0%   1.0%

注:実質GDPとコアCPIの見通しは、日銀の7月展望リポートにおける政策委員見通しの中央値

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