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コロナ禍からの「成長と分配」政策、自民と立民が公約で競う-衆院選

  • 自民は賃上げ企業を税制で支援、時限的な消費・所得減税を立民主張
  • 脱炭素目標へ原発再稼働も必要と岸田首相、立民は非原発依存掲げる

衆院選(31日投開票)では、コロナ禍の長期化で落ち込んだ日本経済の立て直しやアベノミクスの推進で広がった格差の是正が大きな争点となる。自民党と野党第1党の立憲民主党は、大型経済対策や生活困窮者などへの支援をともに公約として掲げ、「成長と分配」のあるべき姿を競っている。

  両党が掲げる主な公約は以下の通り。

経済政策

自民:

数十兆円規模の経済対策を策定。コロナで困窮する非正規雇用者や子育て世帯などに経済的支援を行う。金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略を総動員し、経済を成長軌道に乗せる。分配政策で所得を増やし、分厚い中間層を再構築する。賃上げに積極的な企業を税制で支援し、長期的な研究開発などの促進に向け四半期開示も見直す。岸田文雄首相は総裁選で金融所得課税の見直しを掲げたが、当面は見送る意向だ。

立民:

コロナ対策として30兆円超の補正予算案を直ちに編成。「1億総中流社会」の復活を目指し、年収1000万円程度まで実質免除となる時限的な所得税減税や低所得者への年12万円の現金給付を行う。時限的な5%への消費減税も目指す。財源は富裕層の金融所得への課税強化や法人税への累進税率導入などで賄う。

日本の年収は30年ほぼ横ばい

OECD 平均の8割程度

出所:OECD

外交・安全保障政策

自民:

「自由で開かれたインド太平洋」の一層の推進へ、日米同盟を基軸にオーストラリアやインド、台湾といった普遍的価値を共有するパートナーとの連携を強化する。公約では中国を名指しすることは避けたが、香港やウイグルなど人権を巡る問題について責任ある行動を呼び掛ける。相手領域内でミサイル発射を阻止する敵基地攻撃能力保有の検討を含め、防衛力強化を掲げる。半導体をはじめとした重要物資の確保や技術流出を防止する「経済安全保障推進法」の策定を目指す。

立憲:

平和主義と専守防衛を第一に、健全な日米同盟を基軸としてアジア太平洋地域、とりわけ近隣諸国との多国間協力を推進する。核軍縮や国際的な平和構築に積極的に貢献し、核兵器禁止条約締約国会合へのオブザーバー参加を目指す。米軍基地の負担軽減や日米地位協定の改定を進める考えで、辺野古新基地建設を中止し沖縄の基地のあり方を見直す交渉を開始する。

エネルギー・環境

自民:

2050年に温室効果ガスを実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に向け、30年には13年度比で46%削減を目指す。岸田首相は再生可能エネルギーを推進する一方、原子力発電の再稼働も必要だとの考えを示す。甘利明幹事長は原発30基の再稼働が目標達成の前提にあると踏み込んでいる。公約には、小型モジュール炉(SMR)の実用化に向けた投資を後押しすることも盛り込まれている。 

立民:

原発に依存しないカーボンニュートラルを掲げる。原発のない社会に向けて国の監督の下で着実に廃炉を進め、自然エネルギーによる発電を最大限活用できるよう送電網整備を推進する。30年の削減目標を55%以上としており、50年までのできるだけ早い時期に排出量実質ゼロを実現することを目指す。

Japan's Party Leaders Debate Ahead of General Election
岸田首相と枝野代表
 

社会問題

自民:

選択的夫婦別姓は「氏を改めることによる不利益をさらに解消する」と記すにとどめ、法制化には慎重な姿勢を示す。性的少数者(LGBT)対応では「広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の速やかな制定」を目指すが、党内に反対意見のある同性婚には言及していない。虐待や貧困などに対応する持続可能な子育て環境を整備するため、「こどもまんなか基本法」(仮称)を制定し、支援事業を推進する。

立民:

枝野幸男代表が「私の1丁目1番地」と公言する選択的夫婦別性制度の早期実現を公約に掲げる。多様性や人権を尊重する政策の下、LGBT平等法の制定とともに、同性婚を可能とする法制度の実現を目指す。子ども・子育てでは予算を倍増、子ども政策を包括的・総合的に推進するため「子ども省」の創設に取り組む。

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