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LIBOR対応にAI活用、5万時間の作業節約できたとモルガンS

  • 費用も11億円超節約とモルガン・スタンレー、LIBOR移行作業
  • ゴールドマン、アルゴリズムで作業は「劇的に」短縮

数兆ドル相当の融資やその他の金融契約をロンドン銀行間取引金利( LIBOR)から切り離すのは複雑で、費用も時間もかかる。

  そこで、当局に義務付けられた作業の簡略化と迅速化で金融大手が目を向けたのが人工知能(AI)だ。人間の法律専門家を極めて単調な重労働から解放する狙いもあった。

  モルガン・スタンレーはLIBOR関連の法律知識を持つAIの活用により、人間だけで作業した場合と比べ、法務スタッフの作業時間が5万時間、弁護士費用が1000万ドル(約11億4000万円)節約できたと推計する。ゴールドマン・サックス・グループは、コンピューターのアルゴリズムで作業を「劇的に」短縮できたと明らかにした。

  AIの採用は両行だけではなく、LIBOR移行作業にとどまらないだろう。それでも、この移行に関わる契約の多さから、AI活用の格好のテストケースとなっている。

  AIがなければ、法務スタッフはLIBOR後の取り決めについて書かれた難解な文書をにらみ、金利の置き換え方法を決定しているのはこの箇所か、またはこっちか、などと頭の痛くなる作業を続けなければならなかっただろう。変動金利のオプション、適用可能な期間金利、今後の利払いを判断する代替のベース、この用語は債券だけに適用されるのか、融資やスワップにも適用されるのかなどなど、論点は尽きない。そして、この作業が何百万ページ分について繰り返されるのだ。

  LIBOR分析ソフトウエアの展開でゴールドマンやINGグループに協力したアイゲン・テクノロジーズのルイス・リュウ最高経営責任者(CEO)は、「1500万件の質問のあった顧客がいたが、瞬時に回答を得ることができた」と胸を張る。「そうでなければ、法務スタッフや弁護士が文字通り束になって取りかかり、1年または2年かかっていただろう」と述べた。

  だがAIをもってしても、古い法律文書を分析し、LIBORが別の指標金利に取って代わられた時にどのように変化するのか見いだすのは安くは済まない。コンサルティング会社アーンスト・アンド・ヤング(EY)によると、世界の大手銀行はこの作業に今年だけでそれぞれ少なくとも1億ドル費やしている。AIの作業を検証し、最終判断を下すため人間も依然必要だ。

Heavy Work Load

Some $1.6 trillion of securitizations were pegged to dollar Libor in March

Source: Alternative Reference Rates Committee

 

 

 

原題:
Morgan Stanley’s Robot Libor Lawyers Saved 50,000 Hours of Work(抜粋)

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