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新生銀が反対表明、SBIによる敵対的TOBに-条件付き賛同も

更新日時
  • 買い付け上限設定で少数株主の利益損なわれる、TOB価格も低水準
  • 11月25日に臨時株主総会を開催へ、新株予約権の無償割り当てを決議

新生銀行は21日、SBIホールディングスによる株式の公開買い付け(TOB)に反対する意向を表明した。SBIHDが買い付け上限の撤廃などの条件に応じた場合には賛同の意見を表明する方針も示したが、SBIHDは応じない考え。銀行業界では異例の敵対的TOBへと発展した。

Financial Institutions in Japan As Libor Expiry Looms
新生銀がSBIHDのTOBに反対を表明
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  新生銀は21日の取締役会でTOBへの反対を決定した。公表資料によると、SBIHDがTOBの上限を設けていることで少数株主の利益が損なわれる懸念がある上、1株当たり2000円のTOB価格が同行の本来の価値を反映していないと判断した。

  SBIHDが取得上限の撤廃やTOB価格の引き上げに応じる場合には、賛同を表明する。賛同条件を満たすために、SBIHDに対して協議の申し入れを行うとしている。

  同日会見した新生銀の工藤英之社長は、賛同への条件を付けたことについて、単に反対というのではなく、実現可能な提案をして株主に何を提供できるかという観点から折り合えそうな条件を考えたと説明した。

  その上で、顧客基盤などを考えたときSBIHDとの連携で大きなシナジー効果を発揮するためのハードルは高いとしながらも、協議呼び掛けではシナジーの可能性についても議論すると述べた。

   新生銀の発表を受けて、SBIHDはTOB後の利益相反管理体制を備えることで少数株主の利益は確保されるなどとした上で、上限設定の撤廃は受け入れられず、TOB価格の引き上げも行わないとするコメントを発表した。

  新生銀の取締役会ではTOB対抗措置としての新株予約権の無償割り当てについて株主の意思を確認するための臨時株主総会を11月25日に開催することも決議した。新生銀はTOBへの反対意見が変更とならない限り、TOBに応募しないよう株主に求めている。

  発表文で新生銀は、SBIHDによるTOB公表以前より中長期的な企業価値最大化に資するパートナー候補らとの資本・業務提携について協議してきたとも説明。最適な資本・業務提携先の選定に取り組むとの考えも示した。

  工藤社長は、友好的な買収者となる提携先企業の模索状況について、現在も経営戦略上で多分野での事業提携に取り組んでおり、「ホワイトナイトはその延長線上にあり得る」として、オープンに検討すると述べた。

  SBIHDは9月9日、新生銀への出資比率をTOBによって約20%から48%に引き上げると発表。株式の過半を取得しないで連結子会社にする方針だ。これに対し新生銀は残り52%の株主との間で利益相反が生じる可能性を指摘してきた。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一シニアアナリストは「過半数を取得しないSBIHDの姿勢は、銀行経営というより一般的な投資活動との印象を受ける」と指摘。新生銀による上限撤廃を求める条件は、買収阻止というよりは「投資目的で銀行経営に入り込むことに対する危機感から出てきている」との見方を示した。

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(SBIHDのコメントを追加して記事を更新します)
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