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新興国通貨への資金フロー戻らず、成長懸念が重し-利上げ効果なし

  • 投資家は金利上昇の魅力よりも、成長やインフレ巡る懸念を重視
  • ロシアとインドネシア、トルコ、ハンガリー中銀が今週、政策発表

新興国の中央銀行は通貨防衛のために金利を引き上げる戦略を長年とってきたが、今回はその戦略が奏功していない。

  MSCI新興国通貨指数は新興国市場債利回り平均との比較で、2020年3月以来の低水準に落ち込んだ。投資家が金利上昇の魅力を重視せず、世界的な成長鈍化とインフレ加速という有害な組み合わせを懸念していることが読み取れる。

  経済が供給不足に見舞われ、消費者物価が押し上げられている状況で、新興国の各国中銀は被害を最小限に抑えようと利上げを急いでいる。ただ、それにより新型コロナウイルス不況からの脆弱(ぜいじゃく)な回復が腰折れするリスクもある。今週に政策を決定するロシアとインドネシア、トルコ、ハンガリーの当局者もこうしたジレンマに直面する。

Rising yields fail to bring investors back to emerging-market currencies
 
 

  ノルデア・インベストメントのシニアマクロストラテジスト、ウィトルド・バーク氏(コペンハーゲン在勤)は、中銀は通貨安の「打撃を抑えることと、世界の需要が明らかにピークを超えている時期に過度の引き締めを避けることの間で微妙なバランスを取らなければならない」と指摘。「利上げペースを加速させれば、新興国経済にとって完全なダブルパンチとなるリスクがある」との見方を示した。

  成長に疑問符がついているときに利上げだけでは投資家を呼び戻せないことを各国中銀は学びつつある。ブラジル・レアルは同国中銀が政策金利を引き上げた9月22日以来、4.2%下落。ポーランド・ズロチは今月6日の利上げ後、ユーロとドルの両方に対して値下がりした。チェコ・コルナも9月30日の利上げ以来、下げている。

  新興国経済は21年に全体として6.5%のプラス成長となり、0.6%のマイナス成長だった昨年から回復すると予想されている。ただ、先進国に対するリードは3.1ポイントから1.2ポイントに縮小する見込みで、一部投資家にとって高リスク資産を購入する理由が弱まることになる。

新興国のGDP成長率先進国のGDP成長率
2020年(実数)-0.6-4.5
2021年(概算)6.55.3
2022年(概算)5.24.0

 

原題:
Emerging-Market Currencies Hurt by Growth Woes After Rate Hikes(抜粋)

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