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日本で根付くか暗号資産での運用、金融ベンチャーがファンド組成

更新日時
  • ハイパーリズムが年内にも最大100億円規模の暗号資産ファンド募集
  • 海外では運用対象との認識広がる、米投資銀行などが暗号資産強化

暗号資産運用を手掛けるハイパーリズム(本社・東京都千代田区)が、暗号資産ファンドの組成を検討している。早ければ年内にも募集を始めたい意向だ。国内ではSBIホールディングスもファンド立ち上げを表明しており、運用商品として暗号資産が定着するのか注目が集まりそうだ。

  代表取締役のロイド・リー氏は、ブルームバーグの取材に対し、人数を絞った「プロ向けファンド」の枠組みを使った私募ファンドの組成に向け準備をしていると明らかにした。最大100億円規模を想定し、ビットコイン、イーサリアム、テザーの3種類の暗号資産を組み入れる。目標利回りは年15%以上で、比較的ハイリスク・ハイリターンの投資需要に応えるという。

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ロイド・リー氏
Source: Hyperithm Co.

  同社は2018年に創業した金融ベンチャーで、韓国にも拠点を持つ。日本市場には今年3月、暗号資産の貸借事業で参入した。顧客から暗号資産を借りて運用、賃借料などを払う仕組みで、暗号資産の元本は保証し利子に相当する利用料は年率6%だという。同様のサービスは暗号資産交換業者なども行っており、コインチェックは年率最大5%となっている。

  現在、ハイパーリズムの暗号資産運用額は約100億円。顧客数100人のうち国内の顧客数は約20人で、ベンチャー企業の創業者やIT企業社員のほか、資産管理会社や暗号資産の採掘(マイニング)事業を行う会社などを抱える。新規顧客は既存顧客からの紹介がほとんどだ。

  リー氏は「日本は投資傾向が保守的なので、元本保証の賃借サービスが普及した」と分析しながらも、ハイリスク・ハイリターンを求める顧客も一定数おり、ファンド立ち上げで品ぞろえの拡充を図るとした。2年後をめどに暗号資産交換業への参入も視野に入れているといい、自社での業者新規登録以外に、業者の買収か他社との提携による参入もあり得るという。

  暗号資産は海外の機関投資家を中心に運用先として認識が広まりつつある。米モルガン・スタンレーはこのほど、暗号資産が世界の株式・債券に及ぼす影響を調査するチームを新設したほか、JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックス・グループは暗号資産の先物取引の提供を開始している。  

ABCクッキングスタジオ創業家と縁

  リー氏は韓国籍で、「ABCクッキングスタジオ」創業家の一員であるエービーシースタイル代表取締役の横井宏吏氏の目に留まり、17年に来日。横井家のファミリーオフィスで秘書や新規事業開発担当を務めた。自身の給与を韓国に送金する際、手数料の高さに驚いて調べるうち、暗号資産に出合った。

  ハイパーリズム創業から約3年半後の今年8月には、経営拡大期のベンチャーが行う「シリーズBラウンド」で約12億円の資金調達を実施。米交換業者大手コインベースが運営するベンチャーキャピタル(VC)や韓国のVCハッシュドなど米国やアジアの投資家が第三者割当増資に応じた。

  リー氏は「暗号資産ビジネスといっても事業内容はさまざま。運用はブルーオーシャン(未開拓の分野)、交換業はレッドオーシャン(開拓されつくされた分野)だと思う」とし、成長余地のある暗号資産のウェルスマネジメント事業を日本に紹介していきたいと述べた。

(7段落目以降を追加します)
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