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世界の主要半導体企業、米政権の供給対策に反発-質問状の対応に苦慮

  • 米商務省、半導体不足の関連情報を求めた質問状への回答を要請
  • 「機密情報、特に顧客データを渡すことは絶対にない」-TSMC

世界的な半導体不足を解消しようとバイデン米政権が打ち出した対応策に、台湾と韓国の議員や企業幹部から反発の声が上がっている。自動車から家電製品に至るまで各業界に打撃を与えている半導体供給問題は、解決への道のりが険しくなりつつある。

  米商務省は先月下旬、半導体サプライチェーン企業に対し、半導体不足の関連情報をたずねる質問状に11月8日までに回答するよう求めた。回答は任意だが、レモンド商務長官は回答がない場合には国防生産法や他の手段を発動して行動を強いる可能性があると業界代表らに警告した。

  この質問状は台湾では特に厄介だ。世界の半導体ファウンドリー(受託生産)市場は台湾積体電路製造(TSMC)が50%以上のシェアを持つ。同社の支配的な状況から米インテルなど競合他社はすでに国内投資の拡大を呼び掛け、日本や米国、欧州連合(EU)、中国は台湾への依存を軽減するため独自の半導体業界振興策をそれぞれ検討している。

  TSMCの法務担当幹部シルビア・ファン氏は6日、記者団に対して「当社が機密情報、特に顧客データを渡すことは絶対にない」と述べ、米政府が求める質問状に「どのように対応するかまだ検討中だ」とした。同社の顧客上位5社のうち3社は米国企業で、最大顧客はアップルだ。

  また台湾の同業、聯華電子(UMC)は質問状への対応についてコメントを避けたが、劉啓東CFO(最高財務責任者)はブルームバーグ・ニュースに対して、同社は顧客の非公開情報を保護すると述べた。

  一方、韓国の産業通商資源省は6日声明を発表し、米国の要請内容について懸念を表明した。複数の現地メディアによれば、同国の半導体企業は要請に応じるのは難しい可能性があるとの見方を示している。

  コンサルティング会社アリックス・パートナーズは先月、半導体不足によって世界の自動車業界は今年だけで2100億ドル(約23兆4000億円)の売り上げを失うと予測し、今年の世界の自動車生産台数見通しを当初想定比で770万台引き下げた。

The Chip Industry Has a Problem With Its Giant Carbon Footprint
台湾のTSMC
Photographer: Billy H.C. Kwok/Bloomberg

 

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原題:World’s Top Chipmakers Resist Biden’s Bid for Supply-Chain Data(抜粋)

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