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中国政府、恒大集団の影響隔離措置を強化-直接救済には関心薄か

  • 中国政府、銀行に与信緩和と不動産セクターへの支援を働き掛け
  • 健全な不動産会社や住宅購入者の支援優先か、債券保有者を犠牲でも

中国の不動産開発大手、中国恒大集団が大規模なリストラに近づく中、同国政府は副次的な影響を抑制する取り組みを強化している。世界の債券保有者を犠牲にしても、健全な不動産開発業者や住宅所有者、不動産市場を支える姿勢を示唆した。
 
  先週だけでも中国政府は、金融規制当局の高官を動員し大手銀に対して住宅購入者向け与信緩和と不動産セクター支援に動くよう要請。恒大が保有する盛京銀行株の一部を国有企業が買い上げたほか、中国人民銀行(中央銀行)は流動性を緩和するため先週5営業日に金融システムに4600億人民元(約8兆円)を供給した。

  こうした動きは、中国が恒大をリングフェンス(隔離)するためあらゆる措置を講じる意思を強調する一方、何週間も世界の市場を騒がせてきた同社の直接救済にはほとんど関心がないことを浮き彫りにした。国内外を問わず同社の債券保有者は中国政府からの何らかの救済を期待していたため、こうした動きは良い兆しではない。
  
  恒大債を先週買い始めた米資産運用会社マラソン・アセット・マネジメントのブルース・リチャーズ最高経営責任者(CEO)は「住宅購入者への引き渡しを確実にすることが最初の義務になる。序列の最後に来るのは海外の債券保有者だ」と述べた。
 
  中国にとっては、恒大自体の破綻によるダメージよりも悪影響が広がるリスクの方がはるかに重大だ。恒大破綻をきっかけに不動産会社の取り付け騒ぎとなれば、中国経済の29%を占める同業界を不安定化させかねないとハーバード大学のケン・ロゴフ教授は新たな研究で試算した。

  既に融創中国(サナック・チャイナ・ホールディングス)や広州富力地産などの不動産開発業者の株価は急落し、社債利回りは急上昇している。ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、今年前半に不動産会社約12社による社債のデフォルト(債務不履行)が伝えられており、総額は190億元に上る。

Financial worries are weighing on Sunac China dollar bonds
 
 


 
  中国はまた、恒大の未完成の集合住宅の購入に手付金を支払っている160万人が強く反発する可能性にも直面している。これらのプロジェクトを完工することは、400億元相当の理財商品の購入者らが先月、資金返還を求めて抗議行動を起こしたような社会不安の回避につながるとみられる。

  ネッド・デービス・リサーチのチーフエコノミスト、アレハンドラ・グリンダル氏は、「恒大が無秩序にデフォルトに陥る可能性は低い。中国の人口の大部分に幅広いリスクを突きつけているためだ」と述べ、「オフショア債の再編については、政府はそれほど懸念していないのだろう」と付け加えた。

 

Evergrande's crisis has dragged down its dollar bonds
 

原題:China Steps Up Efforts to Ring-Fence Evergrande, Not to Save it(抜粋)

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