クラリダFRB副議長が株式ファンド購入-パウエル議長声明の前日
Craig Torres-
コロナ感染拡大中の20年2月27日に取引、翌28日に利下げ示唆の声明
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事前に計画されたリバランス目的の取引-クラリダ副議長の報道官
米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は、新型コロナウイルス禍への対応でパウエル議長が政策行動を講じる可能性を発表した前日、債券ファンドから株式ファンドに100万-500万ドル(約1億1100万-5億5500万円)規模で資金を動かしていた。副議長の2020年財務開示で明らかになった。
米政府倫理局(OGE)への届け出によると、20年2月27日にパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の債券ファンドからの資金シフトと、同日にPIMCOのストックスプラスとiシェアーズMSCI米国ミニマム・ボラティリティ・ファクターETF(上場投資信託)それぞれの買いがいずれも同様の規模で取引された。20年の取引件数は他を含めて計5件だった。

米東部時間昨年2月28日午後2時半にパウエル議長は声明を発表。新型コロナのリスクが変質しながら米経済成長を脅かすとして、成長を支えるため必要に応じて政策金利を引き下げる用意があることを示唆した。
FRB議長、ウイルス注視し「適切に行動」と表明-利下げの可能性示唆
同年3月3日には、連邦公開市場委員会(FOMC)が臨時会合を開き、0.5ポイントの緊急利下げを決定している。
FOMCが0.5ポイント緊急利下げ、新型コロナの景気リスク警戒
クラリダ副議長の報道官は20年の財務報告で開示されたこれらの取引について、「事前に計画されていた口座のリバランスだ」と説明。「取引は新型コロナ出現に対応するFRBの行動に関する協議に副議長が関わる前に執行され、ブラックアウト期間の最中でもなかった。当該ファンドはFRBの倫理担当者から事前承認を受けて選択された」と付け加えた。
米連邦準備制度では既に地区連銀総裁2人が昨年の株取引が明らかになった後に辞任しており、倫理規則やガバナンスを巡る精査が一段と進みそうだ。
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原題:
Clarida Traded Into Stocks on Eve of Powell Pandemic Statement(抜粋)