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金融庁、地銀や生保含め横断的にリスク把握へ-投資利回り求める動き

  • 専門人材を集約し高度化・複雑化するリスク分析を地銀などにも展開
  • 利回り追求は不動産投資向けなどの融資面でも見られる-屋敷審議官

金融庁は今事務年度(2021年7月ー22年6月)から大手銀行に加え地方銀行や生命保険会社の信用・市場リスクを「業態を超えた共通課題」として横断的なモニタリングを開始する。低金利環境下で利回りを追求する金融機関がリスク資産への投資を増やしているためだ。

  金融庁の屋敷利紀審議官はブルームバーグの取材で、金融機関の有価証券運用では国債の比率が低下する一方、絶対額は多くないものの証券化商品や私募債、私募REIT(不動産投資信託)なども増加しているとの認識を示した。

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金融庁・屋敷審議官
Source: Financial Services Agency

  その上で、現在の市場環境下では「これまでは取らなかったリスクを取らざるを得なくなっている」とした上で、「誰もがノウハウがあるかといったらそうではない」と指摘。投資実行時の審査基準の適切性や運用段階のリスク管理について注意深くモニタリングする必要があると述べた。

  今事務年度から大手行の信用リスクや市場リスクのノウハウを持つ人材を集約。業態を超えて一元的なモニタリング体制を敷くことで、高度化、複雑化するリスク管理を地銀などにも展開できるとしている。

  貸し出し需要が伸び悩む中、地銀は資金運用を有価証券にシフトさせている。東京商工リサーチが国内107銀行の2021年3月期決算を集計したところ、預金残高に対する有価証券残高の比率を表す「預証率」は25.8%と2年連続で上昇した。

  新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の資金繰り支援策で現金・預け金も急増しており、東京商工リサーチは「銀行が資金運用に苦慮している実態を浮き彫りにした」と9月28日付のリポートで述べている。

地銀の有価証券ポートフォリオ

日銀の緩和政策前後の比較

出所:全国地方銀行協会

  利回り追求の動きは有価証券に限らず、物件から得られるキャッシュフローを返済原資とする不動産ノンリコースローンの増加など、融資の分野でも見られるという。屋敷氏は、個別商品のリスクではなく、「きちんと分析できているかが着眼点」として、リスクを管理・分析する枠組みができているかに焦点を当てていくと述べた。

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