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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
cojp

中国の「電力危機」、年末商戦前の世界サプライチェーンに新たな脅威

  • ゴールドマンや野村が中国GDP見通しを下方修正-電力不足が理由
  • 中国巡る最もホットな話題は「中国恒大」から「電力危機」にシフトへ

世界一の輸出大国、中国のエネルギー危機は世界のサプライチェーンに新たなショックを与えている。中国各地の工場は電力使用を減らすために、生産の抑制を余儀なくされている。

  年末商戦を控えたこの時期、中国のメーカーや輸出業者は衣料品や玩具を含めあらゆる需要への対応を急ぐが、エネルギー不足が深刻化。原材料コストの高騰や港湾の機能停止、輸送用コンテナ不足などによる供給ラインの混乱も重なる。

Power Shortage

More than half of China’s mainland provinces are limiting electricity use

Source: cementren.com, bjx.com.cn

 

  メーカー側は厳格な電力使用削減措置が江蘇省と浙江省、広東省などでの生産減につながると警告。これらの省は中国国内総生産(GDP)の3分の1近くを占めており、価格上昇を招く可能性もある。

  地方政府がエネルギー・二酸化炭素排出の削減目標を達成しようと消費電力の削減を命じる中、実際に電力不足に陥った地方もある。

  中国のメーカーからテントや家具を購入し海外で販売するビタ・レジャーのクラーク・フォン氏は、同社が本拠を置く浙江省では電力規制が各社に新たな打撃を与えていると説明。生産を停止している同省の繊維メーカーは、値上げに踏み切り、外国からの新規受注を見合わせているという。

  「すでに製品の国外出荷に苦しんでいるが、今では生産能力も制限されており、大混乱になるのは確実だ。これまでにも非常に多くの不確実要因に対処しなければならなかったが、今また1つ増えた。特にホリデーシーズン向けに受注品を引き渡すのは一段と難しくなる」と同氏は述べた。

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  浙江省の合成繊維メーカー、義烏華鼎錦綸は地方政府の電力消費削減命令を受け、生産能力の半分を25日から停止していると、27日に取引所に届け出た。10月1日の生産再開を見込んでおり、生産停止の影響を最小限に抑えたいとしている。

  中国の港湾が混乱し、世界のサプライチェーンに影響を与えたばかりだが、電力不足がこれに追い打ちをかけている。新型コロナウイルスの新たな感染拡大で浙江省の寧波港は先月、数週間にわたり機能を停止。広東省深圳市の塩田港からの船積みも5月に止まった。

  野村ホールディングと中国国際金融(CICC)、モルガン・スタンレーは電力を巡る混乱を理由に中国のGDP見通しを下方修正、もしくは成長鈍化を警告。野村の中国担当チーフエコノミスト陸挺氏(香港在勤)は、「繊維から玩具、機械部品に至るまで、グローバル市場に供給不足の危機感が広がるだろう」と予想。「中国に関する最もホットな話題はすぐに『中国恒大集団』から『電力危機』に移る」と指摘した。

原題:
China’s Electricity Shock Is Latest Supply Chain Threat to World(抜粋)

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