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平均年収840万円に減少、コロナ直撃のANA主導-日経平均企業

更新日時
  • 上昇が続いた平均年収は19年度に減少、20年度はマイナス幅が拡大
  • 21年度は業績回復、キーエンスや任天堂も採用されて追い風に

日経平均株価指数に採用されている企業の従業員平均年収は2020年度まで2年連続で減少した。新型コロナウイルス感染拡大が収益を直撃したANAホールディングス日本製鉄で減ったことが響いた。

  20年度平均年収は839万5708円と前年度比で1.4%減った。ブルームバーグが有価証券報告書から集計した。コロナで巨額赤字に陥ったANAHDが23%減で日本製鉄19%減、丸紅18%減と続いた。少なくとも15年度以降上がり続けた平均年収は、コロナの影響を受け始めた19年度に0.8%減に転じて20年度にマイナス幅が拡大した。日経平均銘柄以外ではオリエンタルランド36%減、近畿日本ツーリスト26%減、JAL19%減が目立つ。

General Images Of ANA Ahead Of Earnings
ANAHDの20年度決算は4650億円の営業赤字だった
Photographer: Kiyoshi Ota/

  コロナワクチンは2回接種した人が9月中旬に5割を超えた。新規感染者数も減って経済再開が見え始める中、21年度の企業業績は回復傾向にある。財務省が1日発表した法人企業統計によると全産業の経常利益(4-6月期)は前年同期比94%増だった。10月1日に高年収で知られるキーエンスのほか任天堂が日経平均に加わることで、全体の年収押し上げに追い風が吹く。

  第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、法人企業統計の企業業績に半年遅れて厚生労働省のボーナス統計が変化するとして「大企業の業績回復は年収増を通じて個人消費の先行指標にはなりえる」と指摘した。

順位減少率の大きい日経平均企業平均給与減少率
ANAホールディングス564万円▲23%
日本製鉄494万円▲19%
丸紅1192万円▲18%
オークマ571万円▲18%
東海カーボン670万円▲15%
三菱ケミカルホールディングス1011万円▲13%
シチズン時計594万円▲12%
JFEホールディングス966万円▲12%
J.フロントリテイリング714万円▲11%
10三菱自動車652万円▲11%
Views Of Keyence Corp. Headquarters
キーエンス本社、平均年収は1752万円
Photographer: Yuzuru Yoshikawa/

  日経平均を構成する225社中、平均年収1000万円以上は19%に当たる42社だった。開示データの基準を含めて条件は同じではないが、英FTSE100指数採用企業で開示情報がある72社中15%に当たる11社が1000万円以上だった。ダウ工業株30種平均採用といった米国企業のデータは取得できなかった。

  経済協力開発機構(OECD)のデータ(20年以降)によると、日本の平均賃金は3万8500ドル(約420万円)。物価水準を含む経済環境が異なり一概に比較はできないが全体の22位、主要7カ国(G7)では24位のイタリアに次いで低い。

順位10月1日以降の日経平均銘柄の年収上位年収増減率
キーエンス1752万円▲4.8%
三菱商事1678万円2.9%
伊藤忠商事1628万円4.0%
三井物産1483万円6.4%
野村ホールディングス1415万円7.7%
ソフトバンクグループ1405万円1.1%
住友商事1356万円▲5.6%
東京海上ホールディングス1293万円3.8%
三井不動産1274万円0.02%
10三菱地所1268万円▲0.5%

日本株

  27日午前の東京株式相場は上昇。日経平均株価は前日比109円81銭(0.4%)高の3万358円62銭、東証株価指数(TOPIX)は7.67(0.4%)ポイント高の2098.42で取引を終えた。コロナ対策として19都道府県に発令中の緊急事態宣言を30日の期限で解除する方針を政府が固めたと報じられ、経済再開銘柄が買われている。

  ANAHDは4.3%高、JALも3.3%高、HISは10%高、JR3社も軒並み取引量を伴って値上がりしている。ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘シニアアナリストは、緊急事態宣言解除の方向性は既定路線だが、重点措置を経ない全面解除ということで強く株価が反応したと指摘した。

(最終段落に午前の株式相場の動きを追加して更新します)
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