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ECB、緊急購入終了時に従来のQE拡大を協議へ-ミュラー氏

更新日時
  • 「PEPP終了時に急激な崖効果があっては困るということを認識」
  • エストニア中銀総裁のミュラー氏はタリンでインタビューに応じた

欧州中央銀行(ECB)はパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了時に、従来からの資産購入プログラム(APP)の拡大を協議するだろうと、政策委員会メンバーのミュラー・エストニア中銀総裁が述べた。購入拡大は確実ではないと付け加えた。

  ユーロ圏の景気回復により、ECBは1兆8500億ユーロ(約237兆円)規模のPEPPを来年3月に終了できる見込みだが、そうした支援策の引き揚げに伴う失速を避ける方法を当局者らは協議するだろうとミュラー氏は指摘。一つの選択肢が、危機前から実施している量的緩和(QE)策であるAPPでの購入を現行の月額200億ユーロから増やすことだという。

  エストニアの首都タリンでインタビューに応じたミュラー氏は「PEPP終了時に急激な崖効果があっては困るということを認識している」と語った。

  ただ、ミュラー氏はその後のツイートで「APPの購入額を来春に拡大させることが崖効果を回避する最善の方法なのか確信を持つには至っていない」と説明した。

  ミュラー氏はインタビューで、APPの購入を拡大する可能性は「PEPPを段階的に終了させる方法と将来の資産購入についての議論の一部だ」とし、「もちろん、決定は来年春時点の市場環境と経済見通しに左右される」と強調した。

ECB will rely on its older asset-purchase program after pandemic crisis
 
 

  ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は今週、PEPP終了について拙速な決定を戒め、「勝利を宣言するのは全くの傲慢(ごうまん)だ」と述べた。一方でECBのシュナーベル理事は回復が順調に進んでいると発言。デギンドス副総裁は4-6月(第2四半期)と7-9月(第3四半期)の力強いパフォーマンスを指摘するなど、楽観論も相次いでいる。

  ミュラー氏は「経済の回復、インフレ見通し、そして最も重要なこととしてユーロ圏で続いている非常に良好な調達環境を踏まえると、PEPPはガイダンスの通り、また当初の計画通り、3月に終了できるはずだ。個人的に、これが最も可能性の高い基本シナリオだと考えている」と語った。

  他の政策委員会メンバーと同様、APPを修正してPEPPのような柔軟性を持たせる案には否定的な考えを示し、「それは慎重になる必要があると思う。法的な制約にも突き当たるだろうからだ」と発言。「PEPPに盛り込まれた柔軟性を活用できるとは思わない。新型コロナウイルスのパンデミックに関連した危機という特殊な状況で正当化された」と続けた。

  インフレについては、現在のECB予測よりも速いペースで加速するとの見通しを示した。「価格を押し上げ得る要因と押し下げ得る要因を見ると、現時点では押し上げる要因の方が強いようだ」とし、「例えば2023年にインフレ率は予測の1.5%を上回る可能性の方が下回る可能性よりも高いとみられる。1.7%という22年のインフレ率予想についても同様だ」と語った。

Watching Price Pressures

The ECB predicts inflation will average 1.5% in 2023

Source: Eurostat, ECB

原題:ECB to Weigh QE Boost When Covid Bond Buys End, Muller Says (2) (抜粋)

 

(ミュラー氏のツイート、従来型QEの柔軟性に関する発言を加えて更新します)
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