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中国、マカオのカジノ規制強化へ-利益分配で「政府の許可」必要にも

  • 「マカオに希望はない」とジャンケット事業者
  • カジノ企業を事実上国有化する可能性もあるとの懸念示す事業者も
The Studio City casino resort, developed by Melco Resorts & Entertainment Ltd., stands in Macau.
The Studio City casino resort, developed by Melco Resorts & Entertainment Ltd., stands in Macau. Photographer: Paul Yeung/Bloomberg

中国が世界最大のカジノ市場であるマカオの規制強化に動いた。カジノに上客を案内するいわゆる「ジャンケット」事業者の幹部によれば、「マカオに希望はない」という。

  ジャンケット事業者はカジノ客に資金の融通もしており、事業が立ちゆかなくなるとの懸念から匿名を条件にインタビューに応じた。

  カジノ業界をよく知るベテランであるこの人物は、「規制強化がここ数年、カジノから客を遠ざけてきた」と指摘。「今はカジノ事業と融資手配に対する政府の介入が大きくなっており、投資家をさらに遠ざけるだろう」と述べた。

  マカオのカジノ会社6社から成るブルームバーグ・インテリジェンスの指数は15日、23%急落と、2005年の導入後で最大の下げを記録。サンズ・チャイナだけで時価総額84億ドル(約9180億円)を失った。ウィン・リゾーツは続落し、2日間の下げとしては20年3月以来の大きさとなった。

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  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でマカオのカジノ業界は低迷。香港の抗議活動や中国本土外のカジノや本土からの資金流出に対する規制も数年にわたり影響していた。そして、14日に公表されたカジノ法改正に向けた提案は、カジノの世界的中心地としてのマカオを根本から変える可能性もある。

  同案によれば、政府はカジノ各社を「監督」する代表を指名し、現地の出資比率を引き上げる方針。各社は配当などで利益を分配する前に「政府の認可」を得る必要があるという。詳細はほとんど示されていないが、全体的なアプローチはこれまでのマカオでは見られなかった厳しい審査水準となっている。

  「2大市場である中国本土と香港に渡航制限が課せられており、マカオはすでに厳しい時期を経験している」とカジノコンサルタント会社アイゲイミックス(IGamiX)のマネジングパートナー、ベン・リー氏(マカオ在勤)は説明。「それに加えてカジノと貨幣経路に対する最近の取り締まりによって、今後の市場規模が引き続き厳しく管理される公算が大きいとの結論を導くのは容易だろう」と話した。

  世界2位の経済大国である中国で唯一賭博が合法なのがマカオだ。カジノ業界は米ラスベガスの6倍の規模に成長し、マカオの域内総生産(GDP)の55.5%を占める。

  カジノ側はコメントしていない。メルコリゾーツ&エンターテインメント(新濠博亜娯楽)の幹部は今回の提案が同社の事業にとってどういう意味を持つのかはっきりしていないと述べた。公に話す権限がないとして匿名を条件に取材に答えた。

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  法改正の動きは想定の範囲内とみる向きもある。サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、ビタリー・ウマンスキー氏は15日のリポートで、カジノ法改正が「予想通りに大きく進んでいる」と指摘。利益分配についてさらに検証するというのは、株主利益の制限ではなく、マカオに適切な投資が行われていることを確認するのが狙いだろうとしている。

  中国政府は最近、広東省の横琴島がマカオと「共同開発」されると発表。カジノ法改正はこうした動きを加速し、ジャンケット事業者に廃業を迫る一段の監視強化につながる可能性もある。

  小規模なジャンケット事業者の幹部は、新たな規定がさらに踏み込んでカジノ企業を事実上国有化する可能性もあるとの懸念を示した。事業への影響を恐れ匿名を条件に語った。

  マカオのカジノ監督当局に提案の詳細などについてコメントを求めたが、返答はなかった。

原題:
Macau’s Future in Doubt as Crackdown Spurs Global Casino Selloff(抜粋)

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