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日本電産創業者永守氏が業績改善遅れに焦り、幹部に警告-関係者

  • 上期営業利益950億円必達を要請、未達なら新体制への期待は崩壊と
  • 一代で日本電産築いた永守氏は今年、日産出身の関氏にCEOを譲る

日本電産の創業者で今年6月に最高経営責任者(CEO)の座を退いていた永守重信会長が、自社の足元の業績回復の遅れや株価の値動きを懸念し、家電や車載など主要事業部門の幹部らに対策を講じることが急務だと警告した。

Nidec Corp. CEO Shigenobu Nagamori Attends Earnings Announcement
会見で話す日本電産の永守氏(2019年1月23日、都内)
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  事情に詳しい関係者によると、永守氏は9月に入って同社幹部らに業績改善の遅さや対応の甘さに言及し、上期(4-9月期)の事業計画達成への協力を要請。自らCEOの補佐としてできる限りのことを全てやるという姿勢を強調したという。

  永守氏はまた、上期の営業利益は最低950億円(前年同期比37%増)の達成が必要だとも指摘。現状は創業以来最大の経営危機に向かっていると思えるとし、市場での信用失墜を止める行動が必要との認識も示したという。

  さらに、上期の計画が未達に終われば重大な事態となり新体制への期待は崩壊すると警告、そのような事態は阻止する必要があるとした。

  永守氏は今年7月の決算会見では、後継のCEOとなった関氏の説明を安心して聞けたため「次回からは欠席する」と話していたが、10月26日に予定する決算会見には出席を予定している。

  関係者によると、永守氏はこれまでも幹部らに向けてこうしたメッセージを発したことがあるという。日本電産広報担当者は、永守氏は会長、創業者、筆頭株主として引き続き経営に関与すると言っており、そこは変わっていない、と述べた。

  永守氏は日産自動車の副最高執行責任者まで務めた関氏を採用。関氏は2020年4月に社長に就任していた。永守氏は代表権のある会長となっていた。関氏の前に社長に昇格した吉本浩之元社長時代には集団指導体制を推進してきたがうまく機能せず、20年4月には吉本氏を副社長に降格。同氏は21年5月31日付で日本電産を退社している。

  日本電産の4-6月期の連結営業利益は前年同期比60%増の446億円でブルームバーグが集計したアナリスト5人の予想平均409億円を上回っていた。同社は公式には上期の営業利益について16%増の800億円との見通しを示しているが、今後について新型コロナウイルスの感染再拡大や原材料価格の高騰、半導体など部材不足をリスク要因とみていた。

日本電産、4-6月営業益6割増の446億円-車載事業が黒字転換 (2)

  関係者によると、永守氏は同社創業50周年となる23年には、国内企業の時価総額ランキング5位入りを目標にしてきたという。日本電産の13日時点の時価総額は約7兆9000億円で13位となっているが、永守氏は同社の順位がさらに下がることを懸念しているという。

  国内企業の時価総額ランキング(9月13日時点)

企業名時価総額 (兆円)
トヨタ自動車32.5
キーエンス18
ソニーグループ15.43
日本電信電話12.79
ソフトバンクG12.37
リクルートHD11.85
信越化学工業8.59
KDDI8.59
三菱UFJフィナンシャル・グループ8.59
東京エレクトロン8.58
ダイキン工業8.55
ファーストリテイリング8.05
日本電産7.9
ソフトバンク7.67
任天堂7.28
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