米民主党、下院委で大統領案下回る法人税率26.5%提案へ-関係者
Kaustuv Basu、Billy House-
キャピタルゲイン税の最高税率も大統領案を下回る25%提案へ
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仮想通貨とたばこ巡る税も検討、富裕層への3%付加税も提案

米下院歳入委員会の民主党メンバーは法人税率の26.5%への引き上げを提案する見込みだと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。バイデン大統領は同税率28%を目指している。
法人税率は現在21%。未公表案だとして、匿名で明らかにしたこれら関係者によると、キャピタルゲイン税の最高税率についても現行の20%から25%への引き上げを提案する計画で、これもバイデン大統領の目指す39.6%を下回る。
同委の民主党メンバーは大統領の3兆5000億ドル(約385兆円)規模の税制・支出計画の一部財源とするため、暗号資産(仮想通貨)とたばこを巡る税を検討している。同委は税制・支出計画の資金は全て賄えると推定している。
民主党メンバーは調整後の総所得が500万ドルを超える個人に対する3%の付加税も提案する。
ブルームバーグが入手した両党議員の回覧文書によると、これらの新たな提案が実現した場合、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)の薬価変更によるコスト節減と歳入の7000億ドルと合わせて、歳入増は2兆9000億ドルになると暫定試算されている。これに加え、支出拡大の経済成長効果として6000億ドルの歳入増も織り込んでおり、合わせて3兆5000億ドルを賄えると説明している。
同委の提案は企業幹部報酬の税額控除制限による推定160億ドルと、電子たばこを含むたばこ・ニコチン製品の増税による960億ドルの歳入増も見込んでいる。
民主党メンバーらは仮想通貨を税制上、他の金融商品と同様に扱うことを提案をしており、実現すれば推定160億ドルの歳入増が見込まれるとしている。
ホワイトハウスのベイツ報道官は、歳入委の提案について、「年収40万ドル未満の国民に増税しないことと、トランプ政権が富裕層や企業に与えたものの米国の経済的健全性の向上に寄与していない税優遇措置の中核部分を廃止するという、バイデン大統領が掲げた2つの重要目標に合致する」と声明で述べた。
同提案には州・地方税(SALT)の税額控除の上限撤廃の議論は含まれていないため、この問題の先行きに疑念が生じている。
実際の提案内容は今後変わる可能性があるものの、一部の民主党穏健派はこれまでにバイデン大統領の法人・キャピタルゲイン増税案に反対を表明しており、議会通過が容易でないことが示唆された。
ニール下院歳入委員長の報道官にコメントを求めたが返答はなかった。同委は税制・支出案の税制部分を14、15両日に審議する予定。

原題:House Democrats Set to Propose Corporate Tax Rate of 26.5% (2) (抜粋)