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中国恒大の債務、75%減免が債券アナリストの基本シナリオ

更新日時
  • 債務再編は「ほぼ不可避」とノムラのクレジットアナリスト
  • 前例なき多額の債務再編、中国当局に課題突きつける
China developers turn to niche projects as cooling measures dim outlook
Photographer: Zhu min/Imaginechina

ディストレスト債並みの社債価格がヒントになるなら、不動産開発大手の中国恒大集団は、中国で過去最大級の債務再編に直面する可能性がある。

  ノムラ・インターナショナル(香港)のクレジットアナリスト、アイリス・チェン氏は債務再編は「ほぼ不可避だ」と述べ、政府の監督下でのディールに基づき、恒大が住宅引き渡しとサプライヤーへの支払いを確実にし、ドル建て債保有者は投資額の25%を回収するのが基本シナリオだと説明した。クレジットサイツ・シンガポールのシニアリサーチアナリスト、ルーサー・チャイ氏も、恒大がデフォルト(債務不履行)に陥って債務再編に向かう可能性があると予想。そのリスクは織り込まれつつあり、同社のドル建て債の多くが30セント前後で取引されていると指摘した。

  恒大ほどの規模の不動産開発会社の支払い延滞は中国では非常にまれであるため、投資家やアナリスト、規制当局が頼りにできる事例研究はわずかだろう。佳兆業集団は2015年に中国の不動産開発会社で初めてドル建て債でデフォルトに陥った。別の事例は華夏幸福基業投資開発で、現在交渉中だ。

Evergrande's dollar bonds are near record lows
 
 

  恒大が無秩序に破綻すれば、金融システムへの脅威となる恐れがある。中国当局は明らな前例がないため、3000億ドル(約33兆円)以上の負債を抱える恒大のような債務問題を解決するメカニズムを今後試していく必要がある。

  恒大に財務状況について取材を試みたが、現時点で返答はない。

  事情に詳しい関係者1人の先週の話によると、規制当局は恒大に対し、銀行や他の債権者との支払期限を巡る再交渉を承認したという。

中国が恒大に債務条件の再交渉認める、資金繰り難に対処-関係者

  以下に3つのシナリオを挙げる。

基本シナリオ

  恒大が債務を再編し、債券保有者は資金の一部を回収するシナリオだ。ノムラのチェン氏は中国の不動産業界の発行体企業の一部に最初こそ影響する可能性もあるが、主要な脅威が取り除かれるためセンチメントは改善すると予想する。

  クレジットサイツのチャイ氏は、再編プロセスに政府が関与する公算は大きいとしながらも、デフォルトを阻止したり、最後の債権者として受け止められたりすることはないとコメント。クレジット市場でのモラルハザード(倫理観の欠如)に対処しつつ社会や金融、経済への影響を抑制するため、共産党の関与は後になるだろうとした。

非現実的シナリオ

  国有企業による完全もしくは部分的買収の可能性はあるが、ノムラのチェン氏はこのシナリオ通りになる確率は低いとみる。恒大は市場環境が改善すれば上場資産をより良い価格で売却する可能性もあり、その場合は債券保有者の回収率が30%以上になると予想する。

  クレジットサイツのチャイ氏によれば、恒大は手元流動性を向こう1年で改善するため時間を稼ぐ可能性もある。そのシナリオでは、恒大は近く満期を迎えるドル建て債の一部を返済することになるという。

  恒大は非中核資産の売却を目指しており、目先の債務返済を支えるだろうが、同社は先月、その取り組みが不十分ならデフォルトリスクがあると明らかにした。

悪夢のシナリオ

  清算は債券保有者がほとんど何も得られないシナリオだ。クレジットサイツのチャイ氏によれば、これは「中国の不動産や金融全般だけでなく、恒大のサプライヤーなど関連企業にとっても大混乱をもたらす」ため起こりそうにないシナリオだという。モルガン・スタンレーのアナリストらは、中国不動産開発会社のリストラでは「全ての当事者に清算シナリオの回避が奨励されている」と指摘する。

  また、恒大が簿外債務の一部を帳簿上に戻す可能性もネガティブなシナリオだとノムラのチェン氏は指摘する。これらの資産はドル建て債よりも優先順位が高くなる可能性があり、簿外債務が予想より多ければ、債券保有者の回収率は15%未満になる恐れもあるという。

 

原題:Evergrande 75% Haircut Is Now a Base Case for Bond Analysts (1)(抜粋)

(3つのシナリオを追加して更新します)
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