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ソフトバンクが電池ベンチャー技術の採用検討-スリーダム副社長

更新日時
  • スリーダムのポリイミド製セパレーターで電池性能の課題改善に期待
  • 今年から来年にかけセパレーターや電池の大量生産開始、資金調達も

通信事業を手掛けるソフトバンクが、電池ベンチャーのスリーダム(横浜市)の電池技術を採用することを検討している。同社は次世代モビリティの開発を進めているほか、ドローンなどを活用した無線通信プロジェクトを進めており、高性能な電池の開発が課題となっている。

  スリーダムの小黒秀祐副社長が明らかにした。スリーダムは2014年に設立された東京都立大学発のベンチャー企業でよりエネルギー密度が高く、短時間で充電できるリチウム二次電池や関連技術の開発を進めている。

  ソフトバンクの広報担当者は、スリーダムと接触していることを認めた上で、それ以上の詳細についてはコメントできないと述べた。同社の株価は9日、前日比1.5%高の1586円で取引を終えた。

SoftBank Stores As Group Poised to Return to Profit After Big Losses
都内のソフトバンク販売店(2020年8月7日)
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

      スマートフォンなどの携帯デバイスのほか、自動車でもリチウムイオン電池の採用が急拡大しているが、出力や容量の向上のほか発火のリスクを抑えることが課題となっている。スリーダムはリチウムイオン電池やリチウム金属電池の劣化の大きな要因となる金属結晶であるデンドライトを抑制するポリイミド製セパレーターに強みを持っている。

  パナソニックで長年勤務し、リチウムイオン電池の開発に従事してきた小黒氏は8月24日の本社でのインタビューで、スリーダムのセパレーターには複数の小さな穴があり、電池内でのイオンの流れをスムーズにして電流分布を均一化するため金属負極のデンドライトの発生を抑制できる、と述べた。

  リチウム金属電池については独フォルクスワーゲンや米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が支援する米クアンタムスケープやスウェーデンの新興電池メーカー、ノースボルトに買収された米キュバーグなども開発を進めている。

  小黒氏は、今年後半にセパレーターの大量生産を開始し、それを使った電池の生産も来年末までに始める計画を明らかにした。スリーダムはベンチャー投資家などから81億円の資金を既に調達。また、パナソニックのほか日産自動、ホンダなど大手自動車メーカーから約90人のエンジニアを採用している。

  同社は先月、シンガポールで上場レストラン運営会社を買収することにより資金調達を目指すと発表している。これにより、セパレーターの開発や大量生産に必要な資金を調達できるようになると小黒氏は話す。

  ソフトバンクは今年3月、携帯基地局用などのリチウム金属電池を手掛ける米国のベンチャー、エンパワー・グリーンテックとの協業を公表している。

(更新前の記事でセパレーターの素材の名称を訂正済みです)

(ソフトバンクの株価情報を追加して更新します)
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