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東芝の半導体供給、22年度上半期まで逼迫状態に-増産投資も部材不足

  • 製品供給「要求に十分答えられず」、正常化は23年までかかる公算も
  • 自動車メーカーは減産強いられる、ゲーム機向け需要は引き続き旺盛

東芝の半導体子会社、東芝デバイス&ストレージの亀渕丈司半導体事業部長は、同社製品の供給が今後1年以上逼迫するとの見通しを明らかにした。自動車やゲーム機、産業機器、スマートフォン向けに生産する同社は増産に動いているが、部材調達難などで厳しい状況にあるという。

  亀渕氏は1日のインタビューで、製品需給が「非常に逼迫し、市場や顧客からの要求に十分に応えきれていない」のが現状と説明。2022年度の上半期まで逼迫した状態が続き、供給先によっては正常化が「23年にかかるものも出てくる」と述べた。

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東芝の半導体供給は逼迫した状態が続く
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  東芝は電子機器などに電源を供給・制御するパワー半導体を中心に幅広い産業向けに半導体を生産している。世界的な半導体不足は、トヨタ自動車などの自動車メーカーを減産に追い込んだほか、家電、情報通信機器、ゲーム機などの生産にも影響を与えている。

  亀渕氏は製品供給について、業界などで「優劣は付けていない」とし、取引先の逼迫度合いなどを見極めながら、日々対応を検討しているのが実態だと述べた。基板などの部材が「思惑通りに調達できない」状況が当面は続きそうだという。

東芝半導体事業の営業利益推移

出所:東芝、2021年度は見通し

  東芝は旺盛な需要を受け、増産に向け投資しているが、本格的な事業への寄与は来期(23年3月期)の下期以降となる見通し。亀渕氏は需要の高いパワー半導体向けでは今年度から3年で600億円を投資するとし、工場新設の可能性にも言及した。

  デバイス&ストレージ社の今期(22年3月期)の営業利益は前期(125億円)の4倍超となる550億円と部門別で最大になる見込みで、東芝の収益の柱になりつつある。同社では現在、事業計画の見直しを進めており、10月には新たな中期経営計画を発表する予定だ。

ゲーム機向け半導体

  亀渕氏はゲーム機向けの半導体について、「非常に要求が強い」とし、顧客は「非常にフラストレーションがたまっている状態が続いていると思う」と述べた。しかし、現在の需要に応じるのも厳しく、追加要求には十分応えられないのが実情という。

  任天堂の古川俊太郎社長は5月の会見で「例年のこのタイミングと比べ生産計画に不透明感が増している」と明かしていた。同社では10月に家庭用ゲーム機「スイッチ」に有機ELパネルを搭載した新モデルを投入。ソニーも昨年11月に発売した「プレイステーション(PS)5」の販売を強化する。

  エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは、年末商戦を控え、スイッチやPS5の旺盛な需要が見込まれる中、通常なら手配する増産について「現時点では打つ手がなく、供給を増やせない状況にある」との認識を示した。

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