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TOPIX30年ぶり高値、菅首相辞任意向で-債券下落、為替荒い動き

更新日時

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東京株式相場は午後に一段と上昇し、TOPIXは30年ぶりの高値を付けた。午前の取引終了後に菅義偉首相が辞任する意向と伝わり、新型コロナウイルス感染による閉塞感を打破するきっかけになるとの声が出ている。

  菅首相は3日、自民党総裁選に立候補しないと党臨時役員会で表明した。新型コロナ対策に専念するという。首相も辞任する見通しだ。来週にも改めて会見する。自民党総裁選(17日告示、29日投開票)は岸田文雄前政調会長がすでに出馬表明しているほか、高市早苗前総務相も意欲を示している。

  • TOPIXの終値は前日比31.88ポイント(1.6%)高の2015.45、1991年以来の高値
  • 日経平均株価は584円60銭(2.1%)高の2万9128円11銭-6月28日以来の2万9000円台を回復
Inside the Tokyo Stock Exchange As Japanese Stocks Bounce Back
東証
 

市場関係者の見方

T&Dアセットマネジメントの浪岡宏​​​​​​​チーフ・ストラテジスト

  • 辞意表明は日本の株式市場にある新型コロナウイルス感染による閉塞感を打破するきっかけになる可能性はある
  • 支持率を下げてきた原因は新型コロナウイルス感染拡大を阻止することが難しかったことで、日本株にとっては重しとなっていた
  • 株式市場にとっては自民党の支持率が回復し、総選挙で議席数を減らさないことが重要

JPモルガン・アセットマネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト

  • 新総裁のもとで支持率が上がった上で衆院選を戦えば、与党が大敗して政権が不安定になるリスクが低下すると市場では好感された
  • 総裁が変わればコロナ対策や経済対策に対する期待も高まる。引き続き経済正常化に向けて、ワクチンの普及と景気を浮揚させる対策が出てくることが期待されている

野村証券の松沢中チーフストラテジスト

  • 菅首相続投なら総選挙で自民党が議席を減らす可能性が高く、交代した方がポジティブとの見方が圧倒的に強かった
  • 新首相がアベノミクスに代わる成長戦略を打ち出すことができれば息の長い株高、債券安へ

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト

  • 誰が自民党総裁になっても新鮮味はあり支持率上昇の期待感は高まる
  • 思い切った財政政策が期待されており、割安だった日本株は海外投資家などから再評価され、総選挙で自民党が勝てば日本の株価回復は続くだろう


東証33業種

上昇率上位鉄鋼、電機、証券・商品先物、機械、医薬品、その他金融、化学
下落業種なし

 

債券

  債券相場は下落。長期国債先物の中心限月9月物は前日比8銭安の151円98銭で引けた。長期金利は0.5ベーシスポイント(bp)高い0.035%と約3週間ぶり高水準。菅首相の退陣表明を受け、政策期待で株価が大幅高となったことや経済対策規模の拡大観測を背景に売りが優勢となった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミスト

  • 菅首相が続投していた場合、自民党が弱体化するリスクがあったため、新首相の下で支持率が回復すれば、経済対策の大型化と合わせ、株式にはどちらかといえばプラスか
  • 岸田氏が首相になっても財政、金融政策の基本路線は変わらず。経済対策規模はより大きくなるリスクをみておく必要。次期日銀総裁の人事任命権を持つことになるため、リフレ派が選ばれることが多かった日銀人事に変化がある可能性も

SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト

  • 誰が後継首相になっても相応の経済対策が打たれるはずなので、菅首相の総裁選不出馬自体は債券相場に中立だが、来年1月に20年債はじめ国債増発が意識されることは心理的な重し
  • 来週は米10年債入札、国内でも30年債入札があり、年限の長い債券は売られやすくなる

為替

  東京外国為替市場ではドル・円相場が乱高下。菅首相退陣の一報を受け一時、前日比0.1%安の1ドル=109円80銭まで下げ幅を拡大、直後に110円7銭まで反騰した。その後、今晩の米雇用統計を控える中で、110円ちょうど付近での小幅な値動きとなっている。

外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長

  • 菅首相の総裁選不出馬に対する相場の反応は、現政権下での閉塞感の打破に対する期待が一番大きく、それが未来への期待が株高につながり、リスクセンチメント改善から円売りということに
  • 昨今、自民党支持率低迷の最大の要因は菅総理だという見方がある中、その総理が出ないとなると、自民党が結束して与党が勝てる確率が高いんじゃないかという評価になるのだろう
  • 海外勢にとっては、誰が自民党総裁になってもそんなに大きな違いがないとみられ、衆院選で自民党が大きく割れることにならないだろうという期待のほうが先行しているようにみえる

ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクター

  • 未来への期待が株高につながり、リスクセンチメント改善から円売りということに
  • 17日の総裁選告示に向けて誰がどう出るのかがポイントだが、ここはまだ不透明な部分。そこをみて、改めて相場は吟味し始め29日の投開票に向かう
  • 日本の政局になると、それが円高なのか円安なのかが話題になるが2通りある
    • 1つは日本株は期待先行で上がる。それを受けて日本のマネーの体温が上がり、リスク許容度が高まることで、円のアウトフローが増え円安になるというもの
    • 一方、海外勢は日本株をアンダーパフォームしており、これを見直す必要が生じた場合、円高的な要因
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