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日鉄副社長:鉄鉱石価格下落で最高益予想さらに上振れも、買収に意欲

  • 原料費が減少する中、鋼材市況は高水準で推移ーマージンの改善に
  • 東南アジアで一貫製鉄所の買収に関心、具体的に検討している案件も

日本製鉄の森高弘副社長は、今期(2022年3月期)の収益見通しについて、足元で製鉄の主原料となる鉄鉱石価格が急落する一方、鋼材市況が高水準で推移しマージン(利幅)の改善が見込まれることから、過去最高益へ上方修正された水準から「さらに上振れる可能性が高い」との見方を示した。

Kashima's Coastal Industrial Zone As Japan's Output Falls Again
日本製鉄の東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市、2020年4月29日)
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  森副社長は26日の取材で、原料費の減少に加え、海外事業についても北米や南米で鋼材市況が想定以上に高騰していることなどから「もう一度アップサイドに引き上げる期待は相当持てる」と述べ、さらなる収益改善に期待を寄せた。また、東南アジアで一貫製鉄所の買収を検討していることを明らかにした。

  日鉄は3日、第1四半期(4-6月期)の決算を公表。鋼材価格の高騰や好調な海外事業を背景に通期の事業利益と当期利益の予想を、それぞれ6000億円と3700億円に上方修正した。いずれも過去最高益となり、新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要減で打撃を受けた前期(21年3月期)からⅤ字回復する見通しだ。

日本製鉄:通期純利益予想を上方修正、市場予想上回る

V字回復へ

今期、日本製鉄は過去最高益を見込む

出所:日本製鉄

注:今期の数字は同社予想

  7月下旬にトン当たり200ドルを超えていた鉄鉱石先物は、その後1カ月間で約130ドルまで急落、足元では150ドル台で推移している。全世界の過半を占める中国の粗鋼生産は、7月に前年同月比8.4%減と今年で初めて減少に転じた。中国政府は脱炭素政策で粗鋼生産を抑制する方針を掲げており、今後も減産基調が続くという見方から、供給過剰による値崩れの可能性は少ないと見ているという。

  一方、コロナ感染再拡大や半導体不足による自動車メーカーの減産については、現段階で大きな影響は見込まれていないものの、注意して需要の動向を見ていく必要があるとしている。

  東南アジアでの買収に関しては、「鉄源一貫(製鉄所)でなければ興味がない。付加価値をきちんと高められる会社でなければいけないと思っている」と述べ、大規模な投資に意欲を示した。具体的に検討している案件もあるという。 

 

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